今回はアマゾンの先住民族ヤノマミ族の集落で呪術師(シャーマン)として生きる男性によるAMA(なんか質問ある?)です。精霊と暮らす伝統的な生活と近代社会の間で彼は何を思うのか—。

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photo credit: joellehernandez via photopin cc

元スレ:I am an Amazonian shaman, my name is Davi Kopenawa, AMA!(2014/04/24)
(OP)
私はアマゾンのシャーマンだ。AMA(なんでも聞いてくれ)!

やぁ、Reddit!私の名前はDavi Kopenawa。
ブラジルのアマゾンの熱帯雨林にあるワトリキ、別名「風の山」と呼ばれる村で暮らしている。南アメリカに残った、比較的孤立した文化を持つ最大の先住民族、ヤノマミ族のシャーマンであり代表者でもある。
今はカリフォルニア州のサンフランシスコにいる。ヤノマミ族のテリトリーの限界を決める社会活動のため、全人類にとってのアマゾンを守ることの重要性について話すために。
それから最近、フランスの人類学者Bruce Albertと友に「The Falling Sky」という本を書いた。

Survivalの調査部長Flona Watsonが、私のポルトガル語の回答を英語に翻訳してくれる。


ヤノマミ族(ヤノマミぞく、ラテン文字:Yanomami、ヤノマモ・ヤノママ;Yanomamo,Yanomamaとも)はアマゾン熱帯雨林からオリノコ川にかけてひろく居住している南米先住民族の一部族。狩猟採集を主な生活手段にしている。「ヤノマミ」とはヤノマミ語で「人間」という意味である。
Wikipediaより

Q. シャーマンとしてどんなスキルを学んだの?

A. 最年長のシャーマンに頼んで、シャーマンになるための指導をしてもらった。彼は「Yakoana」と呼ばれる準備をした。彼にシャーマンになるのはたやすいことではないと言われた。候補者は断食をしなければならない。入浴もせず、肉も魚も断ち、静寂を保ち、飢えに耐えなければならない。偉大なシャーマンたちは食事をとることを許さない。体内を清浄にしなければならない。我々の胃は腐敗しているからだ。そのために数週間この状態でいる必要がある。 
また候補者は自分自身でも備えなければならない。全ての他のシャーマンたちを見なければならない。全てのシャーマンと精霊たちが候補者の側に訪れる。彼らはとても大きな一軒家、シャボノに住んでいる。彼らは1人のシャーマンのもとへ精霊をもたらす。
それぞれの森の精霊は名前を持っている。ここにはたくさんの違う精霊たちが存在する。彼らはみな生きている。最年長のシャーマンが精霊たちの働きを教える。
精霊たちの働きは、人々を治し、癒すことだ。誰かが病気になると、シャーマンたちがその病気を打ち負かし、取り除く。すると「Xawara」、病人に憑いた悪霊は地に落ちる。シャーマンは悪霊を拾い、はるか遠くに投げる。その後シャーマンの持ち物である特別な水で病人の体を清め、病人は回復する。



Q. ワトリキやヤノマミの歴史についてちょっと教えてもらえる?


A. ワトリキはとても大きな、高い山だ。私たちはこの山をワトリキと読んでいる。その言葉の意味が「風の山」だからだ。風はこの集落の周りを常に吹いている。だから私たちは上手く呼吸できている。とても清浄な空気だ。私たちはそこに何年もの間暮らしてきた。
私たちはそこを離れたくない。私たちは自分たちの丸い家を持つことを好む。ヤノ(シャボノの別名)、それは丸い。地球の象徴だ。私たちは集落に自分たちのヤノを持つことを望んでいる。

シャボノシャバノ(shabano,shabano,xapono,yano)は、ベネズエラ南部およびブラジル北部の先住民族ヤノマミ族の使う小屋である。仮設住宅として使用され、伝統的に、木造でシュロである。伝統的なヤノマミ族の村では円錐形か長方形の複数のシャボノで中央の広場を囲む。各家族は、シャボノの中にそれぞれの場所を持つ。
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Wikipediaより 

Q. 先進国での初めての体験は?


A. 私の集落であるTototoobiを初めて出たとき、FUNAI(ブラジルの国立インディオ財団)の従業員と一緒にバルセロスの市町村を訪れた。電灯と家々がたくさんのマッチ箱のように詰め込まれて一緒になっている場所、多くの人々が通りを歩いている様子を初めて見た。そのとき私は多くの好奇心と、彼らについて知りたいと言う気持ちを感じた。「この人々は何者だ?どこから来た?どうやって来た?」
それが街を初めて訪れたときに私が思ったことだ。

Q. 先進国を見て、村に帰るよりサンフランシスコにとどまりたいと思う?

A. 私は元いた場所に帰りたい。あそこが私の場所だ。私が生まれた場所であり、私にとって最高の場所だ。この都市は白人のための土地だ。

Q. 都市に対してネガティブな感情は抱かなかった?例えば、そういうところに住んでいる人々に対して、疑念や哀れみを感じたとか?あるいはただ違う生き方に興味をそそられただけ?

A. 都市での生活は非常に複雑だと思った。私のような土着の人間にとって、都市での生活は難しい。良いところだ。だが白人にとっての「良い」だ。そこは君たちの故郷だ。私は都市には5、6日しかいられない。その後は自分のシャボノに帰らなくてはならないだろう。

Q. 都市の贅沢品やテクノロジーで、村に帰ったときに恋しく思いそうなものはある?

A. ヤノマミ族にとっても役立ちそうな技術がある。穢れていない技術は良い。例えば太陽光発電。太陽のエネルギーを受け取る電池のように働く。あれは集落にとって良いものだ。私たちの健康を守るのに役立つ。顕微鏡も良い。練り歯磨きのようなものも。人の心臓を調査するために使っているものも良い。無線機のようなコミュニケーション装置も。
最近集落の子どもたちは、コンピューターの使い方や、集落から都市部へニュースを送ることを学んでいる。彼らはコンピューターで文章も書いている。
私たち土着の人間たちに取って、そういった類いのテクノロジーは重要だ。

Hutukaraウェブサイト
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(2004年Daviと他のヤノマミ族はHutukaraという彼らの権利を守るための団体を設立した。ヤノマミ族の権利を主張するのに加え、ヤノマミ族の教師が集落で読み書きや数学、地理学、人権を教えるため教育プロジェクトも運営している。Wikipedia(英語版)より翻訳)

Q. 熱帯雨林の動物でお気に入りなのは?

A. コンゴウインコ、オウム、ワシだ。

Q. 「Xapiri(シャーマンを補佐する精霊)」は植物の精霊の存在に気づいている人ととそうでない人との間で争いが起こっていることに気づいている?精霊の存在に気づいていない人々はこの星のことを気にかけていない。Xapiriは人々を目覚めさせ、地球の破壊が本物であると気づかせる方法を知ってる?彼らの助けが無いと僕らは何もできないよ。

A. もちろん。Xapiri、彼らは多くの異なる地に接触している。彼らはメッセージや報せをはるかかなたから受け取る。村のシャーマンはその報せをかなたより受け取っている。精霊は大量の雨が降ることや、雨のないとても暑い日が訪れること、あるいは川が怒ること、多くの嵐が到来することを知っている。
集落のシャーマンたちはこのことを世界中の精霊たちを通じて知っている。

Q. 先住民族に対する偏見や差別がたくさんあると思う?

A. あぁ。偏見はどこにでもある。都市でも村でも、小さな集落でも。事実、君は世界のどこにいても偏見を見つけることができる。



Q. ナポレオン・シャグノンをどう思った?


ナポレオン・シャグノンNapoleon Chagnon1938年 - )はアメリカ合衆国人類学者カリフォルニア大学サンタバーバラ校名誉教授。

長期にわたるヤノマミ族を対象とした民族学的な野外調査によって知られている。また進化理論を文化人類学へ導入した先駆者であり、狩猟採集民族における戦争の研究も行っている。

Wikipediaより 


A. ナポレオン・シャグノンはヤノマミの地へ、私たちのことを研究するためにやってきた。そして私たちの知恵を知った。彼はヤノマミの言葉を学び、その後考えを変えた。彼は私たちを欺くことを決めた。集落に互いに戦うことを頼み、戦いに報奨金を出した。つまり、その戦いで勝った者たちに品物、鍋やナイフなどを獲得させた。それがナポレオン・シャグノンのやり方だ。そうして彼はペンを握って座った。「ヤノマミ族は野蛮である」と書くために。それは全く事実ではない。もっと野蛮なのはアメリカだ。アメリカは何千もの人々を殺している。子ども、女性を殺し、都市を破壊し、原子爆弾を投下した。
シャグノン、彼は多くの先入観を持っていた。 彼は我々ヤノマミの民に偏見を持っていた。誰が最も野蛮か?それは彼だ。彼が属する人々だ。
シャグノンは何の説明も無しに、ただヤノマミ族を野蛮だと言った。ヤノマミ族の一部は他の民族と同じように怒りを感じる。地球上の全ての人間がそれぞれに争いを持っている。男は女に嫉妬し、女は夫に嫉妬する。一部の女は夫に勝りさえする。全ての人間は嫉妬による争いを自らの内に抱えている。

 └・どうやってシャグノンは戦いを奨励した?僕は彼が人々の(まさに人間的な)現代の品物を得るための策略や渇望を過小評価していたという印象を持っていた。ヤノマミ族の人々は、まるでナイキのシューズをめぐって喧嘩する暴漢たちのように互いを殺したと。

  └・シャグノンが金の採掘へ投資していたというのを読んで、それを信じてる。彼はヤノマミ族が「野蛮な未開人」であると印象づけたかった。そうすれば、採掘会社がそこへ行って土地をぼろぼろに刻んでも西洋社会は邪魔したり気にかけたりしないだろうからね。

   └・ハリバートンビルマでやったことと同じだね。

   └・それが真実ならすごく面白い。ソースは?

    └・僕は言葉にもっと慎重になるべきだった。彼が実際に採掘に関与していたことを示すリンクは見つからなかった。だが採掘会社たちがヤノマミ族のテリトリーに侵入することを正当化するために、シャグノンのヤノマミ族の記述を使っていたんだ。シャグノンは実際は先住民族のコミュニティーが採掘や病気や産業化によって与えられるダメージを軽減しようとする団体を設立した。彼については議論の余地がある。

エルドラドの闇論争
2000年にジャーナリスト、パトリック・ティアニーは『エルドラドの闇』を出版し、シャグノンと同僚の人類遺伝学者ジェームズ・ニールがヤノマミ族の間で意図的に
はしかを流行させていると告発した。
アメリカ人類学協会の調査委員会が2002年5月に提出したレポートは、シャグノンの調査の一部(例えばヤノマミ族の描写の仕方やベネズエラの官僚との関係)に批判的だったが、はしかの流行を引き起こしたという申し立てには根拠がないと結論した。
テレビドキュメンタリー番組「ザ・トラップ」で、シャグノンは彼が村にいることで彼の研究に影響がなかったか尋ねられたあと不快感を示してカメラから立ち去った。シャグノンはナタをヤノマミの少数の人にだけ贈り、ヤノマミの人々はこの貴重なナタを巡って戦っただけという可能性を指摘された。この主張は『エルドラドの闇』のすでに論破された主張と重なる。
Wikipediaより 

Q. どうやって社会組織としての形態を保って、コミュニティー内を統制しているんだい?メンバー内で論議が行われる?もしそうならどういう風に扱ってる?

 └・俺は彼らが俺たちが思っているのと同じレベルの社会組織としての形態を保っているとは思わない。ほとんどの狩猟採集民はデトロイトをスウェーデンのように思わせる殺人率を持っている。強姦、誘拐、拷問、首狩りのような残虐犯罪も楽しげに実行される。ヤノマミはそういうことで有名だ。

  └・リンク先は狩猟採集民族と何の関係もないぞ。それはヨーロッパの犯罪史だ。

A. 私は上にあるコメントを正すことができる。既に他の答えで述べたように、地球上の全ての人間は嫉妬のために争う。都市の人間も同じだ。私たちは人々が互いに悪口を言っていることで喧嘩をする。ヤノマミ族も怒りを感じる。私たちは互いの胸を殴ったり、木の棒で戦ったりといった決闘の儀式を持っている。誰も死ぬことはない。それは戦争ではない。暴力でもない。それが我々の伝統的な文化だ。
ときには弓矢を使うことも許される。例えば誰かが誰かの息子を殺した場合、父親は犯人の家族の誰かを殺すことができる。私たちはこれを仇討ちと読んでいる。だがこれは古い、過去のものだ。このせいで2、30人が殺されたわけではない。1人は殺されたかもしれないが。これが私たちの習慣がどのように機能しているかだ。数年前にあった、過去のものだ。
ヤノマミを残虐な野蛮人とコメントした白人は、部族を訪れもせず、決闘の儀式を見ることもない。ただナポレオン・シャグノンが言ったように、ヤノマミ族が野蛮であるとおうむ返ししているだけだ。もし我々ヤノマミ族がそれほど野蛮であったのなら、今頃死に絶えているだろう。あるいはいずれ死に絶えるだろう。
多くの先住民を殺したのは誰だ?金の採掘者たち、牛の牧場経営者、土地の部外者によって持ち込まれた病気……私たちを殺す3つの敵がそれだ。私は都市に住む人々に説明しようとしている。彼らがより良く理解できるように。
私たちを最も虐待しているものはなにか?それは政府だ。彼らは自然を殺し、森を切り開き、川を汚す。これが多くの問題を引き起こしている。人はこのことを知らずにヤノマミ族を攻撃する。私は部族の人々、私が知っている人々を、私の社会、私が知っているものを擁護する。

鉱山業者との対立
1993年、ブラジル・ロライマ州のヤノマミ集落で16人が金採掘業者に虐殺された。
Wikipediaより 

Q. どんな種類の発展が今アマゾンで起こっていると思う?

A. 発展は非先住民族的な方法で白人によって進められている。彼らはハイウェイやエネルギーのための水力発電ダムを建設している。彼らは全てを産業化させたがっている。鉱物や材木を他の国々に運ぶために、物を輸送するための大きなハイウェイを作りたがっている。非先住民族はこれを好む。だがこれは先住民族にとってはとても悪いことだ。
ある意味では幾分良いことだ。医療や健康のための器具、私たちの集落で働く医療チームをもたらしてくれる。滑走路は医療チームが私たちのもとにくるのに役立つ。
一方でそれは悪いことだ。そこには2つの通り道ができる。健康のための道はより重要だ。しかしもう片方の道は巨大な道、病が通る道だ。それは多くの問題をもたらす。その道は集落にアルコール飲料をもたらし、都市から悪い物を運んでくる。

 

Q. アマゾンで暮らす君の部族や他の孤立した部族が、探鉱者や密猟者、伐採者によって経験させられている困難を説明してもらえる?本当に他から隔絶して、一度も外の世界と接触せずに暮らしているJavari Valleyの"Arrow People"のような部族は、アマゾンを消費し続ける開拓者がいる中で、これから先も生き残っていけると思う?


A. 私たち先住民族の心が休まることは決してない。破壊は増しているからだ。金や他の鉱物の調査、材木を切り出すための森林破壊、そして非先住民族の人口が増え続けていること。私たちはそれを心配している。ヤノマミのような先住民族が生きる場所は実際は多くない。とてもちっぽけだ。
大農場の経営者たち、金の採掘者たち、農業従事者、炭坑会社、多くの他の人々が土地を持たずにやってくる。私たち先住民族の領域の境界は画定されたが、保証はされていない。だから私は自分たちの未来を非常に案じている。
それから、外界と接触を持たない我々のきょうだいたちのこともとても気がかりだ。ヤノマミ地域にはYawariと呼ばれる未接触部族がいる。またSolimoes川上流にも他の未接触部族がいる。彼らは異なる言葉を話す異なる民族だ。それでもやはり、彼らは非常に苦しむだろう。それが心配だ。彼らを守る非先住民族はいない。FUNAIは彼らを守るには資金不足だ。彼らに計画は無く、信頼できる人々もおらず、政府が未接触部族に保護資金を支援してくれることもない。だから将来、彼らは非常に苦しむだろう。

熱帯雨林は1967年ごろに比べて20%消失した。 2006年の国際連合食糧農業機関(FAO)の報告では、伐採された森林の70%が放牧地へと転換されている。また中国での中流階級の出現と、ヨーロッパでの狂牛病のために畜産のための大豆餌の需要の増大によって大豆畑も増加している。このため、2006年には環境保護団体のグリーンピース (NGO)マクドナルドなどの食品業者が、カーギル社などの穀物の主要取引会社に対し、アマゾンの転換畑で生産された大豆を2年間買わないようにとの交渉を行い合意された
Wikipediaより 

Q. 君の村や土地は違法侵入や森林乱伐から守られてる?
Q. 全世界の人々が熱帯雨林を保護するために最も直接的にできることってなに?
Q. 南アメリカの国の政府間に、先住民の部族、その儀式、生活を保護したり維持したりするための、なにか一致した合意はある?

(OP)
そろそろ出発の時間だ。
だが皆に1つのメッセージを送りたい。ここにいる全ての人々に。

先住民族がどう生きているか、そして私たちが保護されているかどうか知りたいという君たちへ:私たちは少しは守られていると言おう。Survival、ノルウェーのRain Foundation、CAFOD、FUNAI、ブラジル連邦公共省、Hutukaraのような我々先住民族の団体、そして一緒に戦っているたくさんの先住民族たちがいる。

きっと喜んでくれるだろうと思ったから、このことを伝えた。だが私はアメリカの人々からの支援も必要としている。これからも注目していて欲しい。そしてもし望むなら、私たちのプロジェクトで先住民族の団体を支援して欲しい。それはアマゾンの熱帯雨林を守ることも手助けするだろう。これが君たち全ての人への私からのメッセージだ。ありがとう。

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1990年代まで外界と隔絶していたジャラワ族が住むアンダマン島は、道路で部族の領域が分断され観光地化し、観光客が先住民に食べ物を与え、芸を要求するという「人間サファリパーク」の様相を呈しているのだとか……
「誰が野蛮なのか?」という問いかけは非常に重いですね。

(追記:最近腰と背中の痛みであんまり座ってられないのでますます更新が滞ってます。申し訳ないです……ちょっとずつ翻訳してます)

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