今回は、ハイジャックされた旅客機の乗客だったフランス人男性によって事件の翌日に行われたAMA(なんか質問ある?)です。死の危険が迫る中彼は何を思ったのか。着陸までの事件の全貌とは?

photo credit: Pieter v Marion via photopin cc


(OP)
昨日ハイジャックされたジュネーブ行きのエチオピア航空機に乗っていた乗客の1人だ。ニュースの報道に反して、それは地獄だった。AMA(なんでも聞いてくれ)!

俺は25歳の男だ。ET702のフライトのためにアディスアベバ(エチオピアの首都)で飛行機の乗り継ぎをした。 

これがYahoo!ニュース。

飛行機は離陸から1時間後にハイジャックされた。どのようにそれが起こったかを話そう。

搭乗後、俺は自分のシートに向かった。エコノミークラス、窓側で右の翼の隣だ。ほとんど深夜だったから、離陸の間にすぐに眠りに落ちた。そして1時間後、全ての酸素マスクが落ちてくる音で目を覚ました。すぐに思った。「いったいなにが……」隣の客を見ると、彼女は俺と同じくらい混乱しているようだった。飛行機の動きに異常はなかった。だから俺は単純に技術的な故障か、誰かが間違ったボタンを押してしまったんだろうと思った。乗客はお互い顔を見合わせ、何が起こっているのかと考えていた。

そのとき突然、怒りに満ちた低い声が機内放送を通じて俺たちに語りかけてきた。
「座れ。マスクを付けろ。機内の酸素を切るぞ」
それが三回。その瞬間、俺は状況が深刻だと気づいた。何者かが操縦室にいる。そしてこの飛行機はハイジャックされている。



数秒以内に客室の酸素は薄くなっていった。俺はひどく頭がフラフラするのを感じ、他の乗客たちと同じく酸素マスクの装着を素早く決断した。その直後、機体は突然8秒ほど急降下しだし、その後急上昇し、最終的に安定した。乗客は泣き、叫び、祈っていた。俺は完全にパニックになっていた。寒かった。みんなが事態の次の情報を待っていた。だがそれは与えられなかった。ハイジャック犯は何者で、そいつの目的はなんなのか。俺は考えはじめた。考え過ぎなほどに。奴はおそらく単独犯だ。そしておそらく空港には着陸できないだろう。すぐに捕まってしまうだろうから。俺は安全に着陸できる可能性を即座に捨てた。窓の外を見ると、暗闇だけが見えた。暗闇を上昇し、下降していた。

その後の6時間、俺はこのストーリーの結末の全ての可能性を想像していた。突然海に墜落することから、ビルに突っ込むこと、他の飛行機と衝突すること、着陸して殉教者として殺されることまで。この時点で俺は、家族とガールフレンドにSMS(ショートメール)を送信することを思いついた。「乗っている飛行機で問題が起きた。愛してる。君は最高だ」携帯の電源は残り5%、別のテロリストが俺の行動を見つけて、そいつに撃たれるかもしれないというストレスにさらされていた。ネットワークには繋がらなかった。だから携帯の電源を切って、また考え始めた。飛行機がクラッシュする直前にもう一度トライしよう、そうすればメッセージが送信されるだろう、と。俺はずっと隣の乗客と手をつないでいた。とても親切で、気取っていない高齢のイタリア人女性だった。その不確かで死に近い6時間は、毎秒が心理的な拷問だった。俺は沈み込み、全てのものを諦め、別れを告げた。家族のこと、過去の一瞬一瞬、誰が俺の遺産を受け継ぐのかなど、いろんなことを考えた。

この便は午前4時40分にローマに着陸する予定だった。5時30分になっても、俺たちはいまだ高い、高い空の上にいた。窓の外を見下ろすと、海岸とはるか遠くにある光が見えた。なぜかそれは俺の心を落ち着かせた。5時45分頃、機体は突然旋回し始めた。左回り、右回り。少なくとも20回は続いたように思えた。俺は犯人は燃料を使い果たして飛行機を失速させたいのだと思った。俺たちはまだ同じ高度にいた。地上に向かってはいなかった。この恐ろしく長い旋回の連続の後、飛行機は通常のスピードで地上に向けて下降し始めた。

雲に到達したとき、翼は通常の着陸時と全く同じように展開した。だが俺にとってそれは、衝突する相手により多くのダメージを与えるために、より多くの面積をカバーしようとしているように思えた。俺は思っていた。「やっぱりだ。俺たちはこれから何かに衝突する」窓の外を見下ろすと灯りが見えた。1つ、2つ、3つ。前方に何があるかはわからなかった。まだ暗闇だった。俺たちは今や速い速度でたくさんの家々の上空を飛んでいた。そして突然、俺たちの下に空港が現れた。この瞬間を思い返しただけで震えがくる。俺たちは着陸しようとしている。俺たちは、着陸、しようとしている。

本当か?奇跡か?飛行機は地面に接した。そして最終的に、ターミナルの搭乗口から少し離れた場所で完全に止まった。自分が泣いてしまったのを覚えてる。一方で、乗客のほとんど(イタリア人)は拍手喝采していた。このとき6時間のなかで初めて、客室乗務員から最新情報を得た。副操縦士について。俺たちがジュネーブにいること。まもなくスイス警察が乗り込んで来て飛行機から避難させるだろうということ。やがてスイスの作戦部隊が機内に入ってきて、両手を頭の上にあげて静かにしているように言われた。約2、3分ごとに1人ずつ避難した。1時間後、ついに俺は外に出た。俺たちはスイス人にチェックされ、とても親切に連れて行かれた。そこにはサンドイッチとホットチョコレート、無料のwifiと臨床心理医たちが用意されていた。2、3時間後、荷物を受取り通常のゲートを出ることができた。そこには母がいた。俺たちはレマン湖沿いを散歩し、母は美味しい手料理を作ってくれた。

精神的なダメージは無視できないものだ。俺はいまだにショック状態にある。俺は幸運な野郎だった。君たちの中の誰も、俺と同じ目にあわないことを願ってる。AMA(なんでも聞いてくれ)。

証明: 

Q. ハイジャック犯を見たかい?
A. いや、犯人は副操縦士で、一度も客室には来なかったよ。彼には会っていない。機長にも。俺はほとんどエコノミークラスの後方にいた。正直言うと、2人ともハイジャック犯たちに殺されていて、飛行機を乗っ取られたんだろうと思っていた。

Q. ニュースになにか明確な間違いがある?
A. >「乗客はハイジャックに気づいていなかった」と公式発表された。AP通信
俺たちはよくわかってたよ。そこが一番酷い間違いだね。

 └・僕は犯人が客室の酸素をオフにしたってとこが興味深い(それにとても恐ろしい)と思う。乗客は座席に座らざるを得ないからね。もし立ち上がって犯人を攻撃しようとしたら、彼らはおそらくそれをやりとげる前に気絶しちゃうだろう。

  └・良い手だ。

   └・お前今NSA(アメリカ国家安全保障局)の監視リストに載ったぞ。

  └・これだよ。これがおそらく「彼ら」が「俺たち」に全てを伝えなかった理由だ。彼らは真の脅威となるハイジャック犯たちにこの汚い手を知らせたくなかったんだ。もう手遅れだが……。 
 
Q. 犯人は乗客をシートに座らせておくために本当に客室を減圧したのか!?
A. あぁ、そう信じている。だが2、30分後に気圧は元に戻った。アナウンスは無かった。誰かがマスクを外して、みんながそれに続いたんだ。

 └・周知の事実だが、操縦士は単に「客室の酸素をオフにする」ことはできない。客室の空気は濾過された外気以上のものじゃない。空気は航空機のジェットエンジンのシステムを通じて引き込まれている。スイッチで供給をオフにできるような、客室の空気に追加される酸素は存在しない。それはただの空気だ。
操縦士ができるのは客室を減圧することだ。それによって呼吸困難か不可能な状態になり、乗客は酸素マスクを使わざるを得ない状況になるだろう。だがそれは別のいくつかの理由から危険な手段だ。
詳しくはWikipediaを読んで。
「酸素を切るぞ」という脅しはおそらく乗客を支配下に置くための恐怖戦術だ。もしマスクで呼吸しなければならないなら、乗客は座席から動けない。そこにマスクがあるから。人々がコックピットになだれ込んでくるのを防ぐ本当に賢いやり方だ。
もし、なんらかの理由があって、君たちが減圧された機内にいる状況で座席を動く必要がある(ハイジャック犯たちから飛行機のコントロールを取り戻すとか)場合、客室乗務員たちが酸素ボンベ付きのポータブル酸素マスクを持っている。だから彼らは客室を歩き回れるんだ。通常それは機体の後部にあって、ほとんどが救急用品の近くの頭上の荷物入れにある。
ソース:僕はパイロットだ。

  └(OP) 情報を本当にありがとう。実際、頭がフラフラしたのはパニックのせいなのか酸素が本当に無くなったからなのか疑問に思っていたんだ。
減圧された状況でマスク無しでどのぐらいいられると思う?

   └・数年前、ヘリオス航空522便墜落事故があった。客室は壊れたドアのメンテナンスによって与圧されなかった。9時7分に離陸し、9時30分にはすでに管制塔からの通信に答えなかった。ゆるやかに起こったと考えると、せいぜい20分と言えるだろう。

ヘリオス航空522便墜落事故 (Helios Airways Flight 522) とは、2005年8月14日 ギリシアで発生した航空事故 である。キプロスの新興航空会社のヘリオス航空 522便の乗客と乗員あわせて121名が全員死亡した、ギリシャ航空史上最悪の事故であった。操縦士 与圧システムの異常により酸素欠乏で意識不明となり、着陸 できないまま燃料切れとなり山間部の森林に激突した。事故の翌日に政府高官が、事故機があと5分飛行してアテネの市街地上空に到達したならば、市街地への墜落を避けるために 戦闘機に撃墜させるつもりであったと発言した。
Wikipediaより

Q. なんてこった!君の体験を僕らに語ってくれてありがとう!
トイレに行くために機内を歩いたり、バッグから物を取り出したりできたかい?「見張り」が乗客を見張っていて、だから誰も飛行機を安全に取り戻そうとかパイロットをやっつけようとか思わなかったのか?
A. あぁ、俺たちは自由に動くことができた。見張りか何かが客室内にいる様子は無かった。どうも犯人は鍵のかかった操縦室に1人でいるようだった。

 └・ニュースを読んだところ、犯人はおそらく20年は牢屋に入れられるだろうってさ。
  
  └・だけどスイスの牢屋での20年だ。
 
Q. フライトのあいだ、客室乗務員たちはなにをしていた?彼らは通常通りサービスを行っていた?苦難に関する情報を与えてくれた?彼らはどうやって操縦室に入ったんだ?そんな恐ろしい状況でも全員が安全に着陸して良かった。
A. 客室乗務員たちは心強かった。はじめの30分間は自分のシートに座っていたが、残りのフライトの間はお互い連れ添って、乗客にときどきドリンク入りのカップを配ってくれた。彼らの表情をチェックするために何度か会いに行った。俺以上のことをなにか知っているんじゃないかという期待を持って。彼らは食事をしまう場所やトイレの側に立っていた。エチオピア語で話していて、俺には理解できなかった。一部は静かに落ち着いているように見えたが、1人か2人はパニックに陥っているのが見えた。話しているときの表情から判断して、彼らは何か解決方法を探し出そうとしているように思えた。ずっと真剣だった。彼らの1人にいったい何が起こっているのか聞くために「ひそかに」会いに行ったら、彼女は操縦士が乗組員と彼との間のコミュニケーションを切断しているが、着陸できるだろうと言った。俺には信じられなかった。
乗務員が操縦室に入ったのは、犯人が「ロープを使って」飛行機から脱出しようとしていたとき。俺は見ちゃいないが。 

 └・>エチオピア語
  アムハラ語だよ。:)
 
 └・>「ハイジャック犯は滑走路に飛行機を止め、エンジンを切った。その後操縦室の窓を開けてロープを垂らし、それを使って滑走路に下りた」とスイス警察のスポークスマン、エリック・グランジャンは発表した。彼は警察に走り寄り、即座に彼が副操縦士でハイジャック犯であることを名乗り出た。AP通信
犯人はこの時点で自暴自棄になってたようだな。話を聞かせてくれてありがとう。無事で良かった。

  └・じゃぁ「ハイジャック犯」の目的は何だったんだ?

   └・スイスに亡命するつもりだったんだよ。

    └・ハイジャックは亡命にベストな方法じゃないな。

     └・ヨーロッパにはシェンゲン協定があるんだ。それは国境を自由に行き来できるものさ。それによると、亡命申請をした人物は、プロセスに従いその人物がはじめに足を踏み入れたヨーロッパの国によって亡命を許可される。実際にどこの国に亡命申請したかに関わらずね。だからもし彼がローマに着陸して、列車や車や徒歩でスイスに行ったとしたら、彼はイタリアに追放されていただろう。だから飛行機でスイスに着陸したほうが簡単なのさ。
それにイタリアは亡命認定に関してかなり厳しい国だ。彼らは地中海を超えてボートでやってきたアフリカ人をクソみたいに受け入れてるからな。(中央ヨーロッパの国とは対照的だ。)
ランペドゥーザ島は北アフリカから最も近い位置にあるヨーロッパ諸国の領土であるため、ヨーロッパを目指すアフリカからの移民・難民の目的地となっている。ランペドゥーザ難民収容センター が設けられているが、定員を超過する状況が続いている。イタリアではシェンゲン協定に基づき、他のヨーロッパ諸国へ難民を移動させたいとしているが、 フランスなどはこの動きに反発し難民を乗せた列車を国境で停車させるなどしており、両国間で協議が行われている。
Wikipediaより

    └・ハイジャック犯はみんなを落ち着かせたほうが良かったんじゃないか?ジュネーブに亡命しに行くつもりだってさ。6時間もみんなに地獄を味わわせる代わりに。

     └・ハイジャック犯ってのは礼儀知らずなんだよ。

     └・911のハイジャック犯たちは乗客にキューバに向かっていると言っていた。ってことで、ジュネーブに行くって言うことが、乗客を落ち着かせたかどうかはわからないな。

      └・まったくだ。911以後の世界で、誰がただのハイジャックだなんて信じる?

Q. 何が起こっているかっていう手がかりはハイジャックが終わるまでになにかあった?
A. どうも機長が操縦室の外からずっと交渉していたらしかった。

Q. ニュースじゃ君が乗ってた飛行機は他国(訳注:イタリア軍とフランス軍)の2機の戦闘機によってエスコートされたって言ってる。何か見た?戦闘機が来たとき気づいた?もし気づいたならどう感じた?

 └・OPの代弁はできないが、過去のケースだと戦闘機は旅客機の後ろを飛ぶんだ。機内の誰の視界にも入らないだろう。
  
  └・これはスイス軍が業務時間しか動かないせいで起こった。マジで。

Q. 飛行機を墜落させると脅された?
A. あぁ、機長が操縦室に戻ろうとしたら飛行機を墜落させると脅された。

 └・いつそれを言った?君は「座れ。マスクを付けろ。酸素を切るぞ」としか言わなかったと言ったよね?
  
  └・機長がクルーに言ったかなんかしたんじゃない?

Q. 「ヒーローになること」や乗務員を手伝うこと(911の乗客の一部がやったように)を考えた?それともそんなことが頭に浮かぶにはあまりにも恐ろしすぎる状況だった?(なにかするには危険すぎたんじゃないかと思った!)



A. あぁ、たくさん考えた。その後、犯人は操縦しているから、もししくじったら代償は大きすぎると思った。

 └・たとえ上手く計画したとしても、怒れる群衆が状況をより悪くしただろうと思うよ。 

 └・今のドアは強化されてるから、乗客がユナイテッド93みたいに入れたかは分からないと思う。

  └・まったくだ。どこのどいつが副操縦士がハイジャックするなんて予想できるんだ?

    └・エジプト航空990便墜落事故を思えば信じられる話だ。
事故機は墜落の直前まで順調に飛行していたが、機長 ラバトリー(手洗い)に行くため席を外した際、副操縦士 アラビア語で「 信頼する(原語のローマ字表記:Tawakkalt Aia Allah)」とつぶやきながら エンジン出力を下げ、操縦桿 を強く前方へ押した。そのため巡航高度から急降下し始め、慌てて操縦室に戻った機長は機体を立て直すために操縦桿を引き起こそうとするとともに、副操縦士にも引き起こすように呼びかけたが、応じることはなかった。機体は一旦上昇に転じたものの、急降下中にエンジンが脱落するなど機体のダメージが大きかったため操縦不能に陥り大西洋にたたきつけられるように墜落した。
Wikipediaより

Q. 他の乗客の反応はどんなものだった?たくさんの人が完全に気落ちしていたと想像できるけど、君が目にした最悪のものはなんだった?彼らはお互いなにか飛行機を奪い返す計画を立ててたりした?
A. 良い質問だ。なにかしようとしていたかはわからない。僕自身何度も考えたけど、茫然自失状態だったんだ。正直に言うと、乗客の95%はイタリア人で、彼らのほとんどは英語が話せなかった。イタリア人同士で会話をしていたが、何について話していたかは俺には分からなかった。完全に気落ちしていた人は見ていない。ただ祈るか歌っていたよ。

 └・俺はイタリア人だ。俺の国の仲間は……「歌っていた」って言った?

  └・イタリア人仲間がやってきたよ。僕には全然驚くべきことじゃないな。

   └・南ヨーロッパ人のステレオタイプ……確認!;-)
    (ヘイ、少なくとも俺ら北欧人の、意識が朦朧とするまで酒を飲む戦術よりは健康的だぜ!)

   └・「なんてこった、くそっ、俺たちの飛行機がハイジャックされちまった!……TE VOGLIO BENE ASSAAAAAAAAAAIEEEEEE〜♪

Q. やぁ、君の体験をシェアしてくれてありがとう。君の手を握っていたっていう隣に座ってたイタリア人の女性とは連絡を取り続けるつもり?完全な他人と死の恐怖を分かち合って、その後生き延びるってすごく深いね。お互いなんらかの感情的な繋がりが生まれたに違いない。
A. あぁ!連絡先を交換したよ。今夜メッセージを書こうと思ってるんだ。

Q. 奇遇だね。そのハイジャック犯の副操縦士はうちのオフィスの管理人の親友なんだ。一緒にエチオピアの大学に行った仲さ。管理人は難民としてここに来た。だがその親友はパイロットの職を得たために国に留まった。管理人は、親友が飛行機を通常通り下りた後で単に歩き去って亡命を求めるのではなく飛行機をハイジャックした理由は、エチオピアの悲惨な状況に世界の注目を集めるためだったと考えているよ。

  └・たとえそうだったとしても、たとえエチオピアの状況が悲惨な物だったとしても、副操縦士は世界の注目を集めるために違う方法が選べたはずだ。乗客を精神的に傷付けなくとも、彼らに生涯残るだろうPTSDの経験をさせなくても良かったはずだ。彼をヒーロー視することはできない。この状況で彼はテロリストになったからだ。たとえたった6時間でも。彼の狙いが自分の国に注目を集めることだったとしても。

  └・彼はヒーローとしては見られないだろう。だが彼にモンスターのレッテルを貼るのは早いんじゃないか。他者の権利を害することは自動的に自分の権利を失うことを意味しないよ。

   └・彼は依然としてハイジャック犯だ……。市民人権活動家じゃない。事態はとてもとても違ったものになったかもしれない。彼がジュネーブの重要な建物に飛行機を突っ込ませていたなら。

Q. 着陸した後でなにかアナウンスはあった?
A. 着陸後は何もアナウンスされなかった。

Q. 乗客の他に客室にいた人たち全員が解放されたの?
A. スイス軍が入ってきて、ビジネスクラスの乗客が解放され、客室乗務員が解放され、エコノミークラスの乗客が解放された。「解放された」っていうのはつまり、機内から手をあげたまま外に出されてたくさんの警官からチェックを受けるってこと。

 └・ハイジャックでさえビジネスクラスが優遇されるのかよ……

  └(OP) あぁ、専用の特別なチームによってエスコートされてた。だからビジネスの乗客は早く家に帰れたんだ。

   └・人は支払った分をサービスを受けることができるんだと思うよ。

Q. どの時点で「俺、もし生きて帰れたらAMAをやるんだ」って思った?
A. ハハ。むしろ生き延びられるとは思ってなかったよ。その後で、ただこの出来事について書きたくなっただけ。大人気で嬉しいよ!本当にありがとう。

 └・俺はいまだに「ワォ、こりゃRedditのみんなが聞きたがるに違いない」って瞬間を待っている。

Q. 死に直面するのってどんな感じだった?どこかで心が安らいだ瞬間があった?死を受け入れた?それとも望みを持ち続けた?
A. 病院のベッドで死を迎えようとしてる感じだと思う。恐れていて、まもなくそれが訪れることを知っていて、自分自身にたくさんの問いかけをするんだ。後悔はあるかとか、葬儀には誰が来てくれるんだろうとか、これは現実なんだろうかとか……。自分にできることは何も無い。だから結局90%は死を受け入れる。

Q. また飛行機に乗ると思う?着陸後に航空会社はなにか援助を申し出た?
A. あぁ、また乗るだろう。援助はスイスによって提供された。 彼らは本当に懸命の努力をしてくれた。素晴らしいサポート、食べ物、ドリンク、情報、電話など……

Q. 航空会社から補償や謝罪を受けることを考えた?あるいは考えてる?トラウマの診断や治療は?
A. 良い質問だ。明日電話して聞いてみるよ。フランス大使から名刺をもらったよ。「俺が必要なときに話せる」ようにって。(訳注:OPはフランス国籍)スイスの臨床心理医が今夜俺をチェックするために電話してくることになってる。

 └・弁護士抜きでは何も受け入れるんじゃないぞ。

  └・ハロー、アメリカ人の同士よ!

   └・ハハ、俺も即座にそう思った。「あ、こいつ絶対アメリカ人だわ」

   └・アメリカ — 訴訟の国 —
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Q. あなたのママは偶然ジュネーブにいたの?
A. 近くの町に住む友だちを訪れてた。ラッキーだったね!

Q. 今日は人生で最良の日?
A. いい質問だ。俺の頭はいまだにあの飛行機の中さ。

 └・早いとこ空港に連絡すべきだ。あいつら飛行機の清掃のときそういうアイテムを保管しててくれないからな!

Q. エチオピアでなにしてたの?
A. タンザニアからの乗り換え。

 └・タンザニアでなにしてたの?

  └・ジュネーブからの乗り換え。

   └(
OP )  ↑マジで笑った。 休暇を過ごして帰るところだったんだ。俺はジュネーブに住んでる。だから実は、飛行機は俺の最終目的地にルート替えしたんだ。元々はローマへ飛んだ後ジュネーブ行きに乗り換える予定だった。
 
    └・Twist(どんでん返し)OPはまっすぐ家に帰るために陰で事件を操っていた。

(OP)
本当に心からこのスレッドに来てくれたみんなに感謝してる。
これからチーズフォンデュを食べるために一休みするよ。質問と応援をありがとう。全ての質問に答えられなくてすまない。
粋にいこうぜ、reddit。この話から学んで世界をもっと良い場所にしよう。

関連記事:【奇跡の生還】飛行機墜落事故の生き残りだけど、なんか質問ある?【1人だけ無傷】



業務時間外だからと出動を断ったスイス軍……驚きです。

(追記:タイトル変更しました。AP通信CNNの記事では「乗客がハイジャックに気づいていなかった」と警察が発表したと報じられていますが、BBCの報道では乗客がハイジャック犯に脅されていたと語ったと書かれてありました。おそらく故意に隠されたというより情報が混乱していただけでは?と推測します)

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