今回はイギリスの一般人男性によるAMAです。高電圧に打たれた後30フィート下の地面に落下……いったいなぜそんなことに!?
 
元スレ:IAmA guy that survived a 30,000 volt electrocution and a 30ft fall, AMA.(2011/09/24)


lezzy2
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(OP)
3万ボルトで感電死したあと30フィート(約9m)落下したけど死ななかった男だ。AMA(なんでも聞いてくれ)。
それと、俺がその事故で手に入れたものは、このキモい指だけ……

Q. 一度に?

A. 一度に!

Q. 感電したのが先?落ちたのが先?

A. 感電した。その結果、転落した。

Q. いったいどうやって?

A. 休暇でスノーボードをするためにオーストリアに行って、森の中にいたんだ。2、3時間探検したあと、拓けた場所にたどり着いた。で、自分がどこにいるのか確かめるために、そこにあった「何か」に登ろうと思ったんだ。……それが送電鉄塔だったわけ。



Q. 映画とかでよくある感電シーンみたいに髪の毛が逆立った?

A. 悪いけど、何が起こったのか全然覚えてないんだ。友だちはでかい閃光とバリバリっていう音の後、なんか重いものが落ちた音を聞いた。で、地面に煙を出しながら倒れてる俺を見つけた。マジで映画みたいな髪型になったら良かったんだけどな。そしたらクールだったのに。

Q. 「感電死」ってことは一回死んだの?

えぇと、20分間息をしてなくて、友だちによると心臓の鼓動も感じられなかったらしい。それって死んだってことに数えられる?もしダメなら、言葉を選び間違えた。

Q. 20分後にCPR(心肺蘇生術)を受けたのか?

A. 受けてないよ。ただ突然意識を回復しただけ。

 ┗・ひどい友だちだ。20分間ただ見てただけなんて……。まぁマジな話、せいぜい1、2分だったんじゃないかな。だとしてもクールな話だよ。

Q. 心臓が止まってから脳がダメージを受け始めるまで約5分なんだけど。脳にダメージ受けた?本当に20分?(皮肉や攻撃で言ってるんじゃないよ。素直に好奇心と興味から聞いてるんだ!)

A. えぇと、俺は気絶してた(それか、よくわかんないけどたぶん一瞬死んでた)し、友だちにとってはトラウマな体験だったから、彼がちゃんと時間を計れてたかわかんないけど、君がそう言うんなら、たぶん20分間じゃなかったんだろうな。脳には全然ダメージなかったよ(俺がわかってる限りでは。もし俺が実は植物状態で、今やってることが全て俺の脳の中で起こってるんじゃなければ)。でも確実に長い時間意識を失っていた。どれぐらいの時間かは知らないし、心臓が止まってたかどうかも定かじゃないけど。

 ┗・>(俺がわかってる限りでは。もし俺が実は植物状態で、今やってることが全て俺の脳の中で起こってるんじゃなければ)
ってことは……俺たちはみんな彼の頭の中の存在なのか?

  ┗(OP)「Yes」と言ったら?

   ┗・そりゃヘビーだぜ。

    ┗(OP) どうやったら現実世界か脳内世界かわかるかな?

     ┗・ハハ、そりゃ脳みそが頼むから起きろよ、みんなすごく寂しがってるぞ……だから起きろぶっ壊れそうだな。

      ┗(OP) なんか怖くなってきた。

Q. クソみたいに痛かった?

A. 事故のことは覚えてないけど、治療はマジでクソみたいに痛かった。



Q. 30フィート?あんまり高くないじゃん。

A. ダメージを受けるには十分な高さだよ。38フィート(約11.5m)が「平均的な人間」に死を招く高さだと考えられている。つまり30フィート(約9m)も決して安全な高さじゃなかった。

Q. どうやって指を失ったんだい?鉄塔に触ったら爆発したとかなんか?指を失ったのに気づいた時のリアクションは?


A. 事故の後はまだあったんだ。でも見るも無惨な感じに火傷していて、かろうじて動くぐらいだった(わずかに動かすことはできた)。オーストリアの医者たちは「おそらく治ってまた動くようになるが、2、3ヶ月間は多くの治療を要するでしょう」と言った。イギリスに戻ってすぐ訪れた1つめの病院で、医者はすぐに「ただちに切断しないと壊死しますよ」と警告してきた。ちょっとショックだった。でもその結果に今は完全に満足してるよ。:)

Q. まだ誰もこれを聞いてないってのが信じられないんだけど。どうやって事故は起こったの?

A. 最初の方の質問がそれだったよ……。詳しくは説明しなかったけど。事故の全てを聞きたい?

 ┗・YES!!

  ┗(OP)オーケー。
ある日の午後遅く、俺はオーストリアのザルツブルグに到着した。その日はスノーボードをするには少し遅すぎたから、翌日まで待つことにした。外出して2、3杯呑んで、葉巻も吸って、なんやかんやしてちょっと陽気になってた。数時間後、俺たちはリゾート地の外側の森をチェックすることに決めた。2人とも探検が大好きなんだ。俺たちは雪で覆われた急な丘の端へとたどり着いた。丘は森に向かって下降していて、俺たちはジャンプして下まで転がり落ち、完全に雪に埋もれた。まるで洗濯機の中で回されているような気分だった。「あー最高!」俺たちはそこから這い出て考えた。「だけどもっと探検しなきゃな!」

そういうわけで、そこから森に入っていった。辺りは暗くなり始めていたけど、酔ってたからそんなの気にしなかった。拓けたところにたどり着いたとき、たぶん既に1、2時間は森の奥深くを目指して歩いていた。若干酔いが醒め始めてはいたけど、まだシラフに戻ってはいなかった。

俺たちは周りの木より高いところに登ることを思いついた。良いアイディアだと思った。ここから脱出するにはどっちの方向に歩いたらいいかを知れるから。それで、そこにあった簡単に登れそうな建造物に登った。外側にハシゴがかかった送電鉄塔に。(フェンスは無かった。有刺鉄線も。危険を知らせる標識はなにもなかった。)俺はてっぺん近くまでのぼり着いた。記憶の最後にあるのは、自分の頭上すぐ近くにあるものを指して、「これって電気通ってんのかな?」って言ったことだ。この記憶が後から作り上げられたものか、真実かはわからない。でもふざけながら指を近づけたんだ。「こんなことしたらすっげーバカなことが起きるだろう」って言いながら。その後電気がフラッシュして、電流が空中を2〜3フィート(60〜90cm)ぐらい走って、俺の指先に流れ込み、左足から抜けたそのことは覚えている気がする。それから空中に投げ出され、ものすごい衝撃音とともに地面に着地し、同時に背骨が2箇所折れた

その後俺たちは民家にたどり着くまで長時間歩き(どれぐらいだったかわからない。でもたぶん1〜2時間)、救急車を呼んだ。

次の日俺は、胴体にギプスをはめられ、左足を包帯でぐるぐる巻きにされた状態で目覚めた。最悪の事態を想像した。ついに自分の指がどうなったかがわかったとき、それは見るも恐ろしい状態(そのときはまだ全部くっついていた)だったにも関わらず、俺は自分がすごくラッキーだったと思った。その指が壊死していて、切断しなきゃならないと知るまでの2、3日間は。指をなくしたことは最悪だった。でも今はそれを乗り越えて、自分の一部として受け入れてる。:) 背骨は2週間で治った!
これでこの話はおしまい。

Q. 背骨が折れてたっていうのにどうやって歩いて戻ったんだ?

A. 決意で。それにそのときは背骨が折れてるって知らなかった。それが良かったんじゃないかな。長い間雪の中に横たわっていたから、おそらく全身の感覚が麻痺していた。思い出すたびに自分が歩いて戻れたってことに驚くよ。

┗・うーん。君の背骨は完全には折れていなかったんじゃないかな。たぶんちょっとヒビが入ってた程度だったとか?それならそんなにも早く回復できたことに説明がつく。普通は背骨が折れたら、腰から下が一切動かなくなるんだ。そう聞いたことがある。なんにせよ、いい話だ。

 ┗(OP) 完全に折れていたよ。レントゲン写真で見た。片方から反対側まで割れ目がちゃんとあった。2つの割れ目は同じところで終わっていたから、俺は今、台形の背骨を2つ持ってることになるね。

  ┗・雪の中に長時間倒れていたことは、腫れの発症を抑えて、2週間で背骨を治すことを可能にしたかもしれないと思う?

   ┗(OP) それは実際ありうると思う。俺もそうじゃないかと考えたことがある。

Q. どうやって3万ボルトだったって知ったの?警察か病院からの報告で?

A. あの場所に戻って、事故の前に見落としていたらしい標識を見たから。全ての情報が書かれていたよ。

Q. 事故のとき君の脳裏を駆け巡ったものはなに?

A. えーと、記憶が電気椅子にかけられたみたいで正確にはわからないけど、でも永遠に虚無の中に落ちていく感じがしたのはよく覚えてる。そのあと病院で目覚めた。俺は全然宗教的な人間じゃないんだけど、もし宗教的体験をしたことがあるかって聞かれたら、あの時がそうさ!

Q. 事故の後なんか変化はあった?生命に対する新たな敬意を持ったとか?

A. 事故のことについて考えるときは、生命に対してかなりの敬意を感じてるよ。でも毎日じゃない。けど宇宙にあるもの全てに対して大いに感謝してると思う。事故の前もそうだったかは思い出せない。ただ、全てのものがすごく興味深いって思ってて、生きてそれを経験できることに本当に感謝してるよ。

Q. 宗教に対するスタンスは変わったりした?今も昔も無神論者なの?

今も昔もそうだ。バリバリの無神論者だね。(「宗教なんか信じてるお前ら、みんな目を覚まさせてやるぜ!」ってのじゃなくて、「非論理的すぎて神の存在なんか想像もできないが、君らがそれを信じてて幸せで、誰かに信仰を強要したりしないんなら、ま、どうぞご自由に」って感じ) だからあの出来事は俺の宗教観をなにひとつ変えなかったよ。
だけど落下してたときの記憶を表現するとき、たまに「天使のように」とか表現しちゃうけど。そうとしか表現できないんだ。白いオーラが俺を包んでいたのを覚えてる。変に聞こえるのはわかってる。それについて考えてたら眠れなくなったことが何度もあるよ。



Q. 事故の後コンセントが怖くなった?


A. 送電鉄塔のそばを歩くのは今でもすごく怖いよ。電線の下を歩くのも大嫌いだ。

Q. もし事故の前に戻れるなら、事故を避けようとする?それとももう一度やる?

A. 正直言って、変えようとは思わない。あぁ、それって信じられないぐらい馬鹿なことだった。それに俺は今「絶対に電気で遊ばないこと。さもなきゃこうなるぞ!」っていう歩く広告だ。でもどうかな。半分の指がちょっと気に入ってるし。ギターをもうちゃんとプレイできないのは最悪だけど。それになんでかわかんないけど、骨を折ったことも傷跡ができたことも気に入ってるんだ。また別の思い出話になるけどね。

 ┗・ハーイ。私の人生のモットーは「最高の思い出話ができることをやれ」よ。戦いの傷跡やクールな切断面が大好き。乙女チックじゃないけど、でも素晴らしいわ。

  ┗(OP) あぁ、俺も同じだよ。たくさんの傷跡がある。全部を愛してるぜ!そういう女の子にあまりあったことがないけど。君ってすごいな。

   ┗・傷跡の思い出話は最高のストーリーよね!:D

Q. 回復するまでどのぐらいかかった?


A. えぇと、2週間で胴体のギプスがとれた。それは俺の誕生日だったから、いい気晴らしになった!
長くかかったのは指の深刻な火傷だった。約3ヶ月の間、病院の火傷専門ユニットに週1で通わなきゃいけなかった。 医者は俺にモルヒネをうって、火傷のかさぶたを突き刺したり引き裂いたりした。彼らは皮膚移植を試みたが、失敗に終わった。だから指の先端は少しくぼんだままだ。医者は指の半分から上の皮膚をめくり上げ、切り離す前に剥いだ。神経を引っ張られたときが何度かあって、それが一番痛かった。今は完治して、第二関節まで残ってる。曲げることもできるし、人を怖がらせることもできる。

Q. いまだに指先を感じることがある?

A. ファントム・フィンガーを持ってるよ。めちゃくちゃ奇妙だ。

幻肢(げんし、phantom limb)は、事故や病気が原因で手や足を失ったり、生まれながらにして持たない患者が、存在しない手足が依然そこに存在するかのように感じること。幻影肢(げんえいし)ともいう。

幻肢をもつ患者はしばしばそれを意図的に動かすことができる。 逆にそれが動かせない場合、その幻の部位に非常に強い痛みを感じることがあり、それを 幻肢痛(げんしつう)という。
Wikipediaより

Q. その指だとマウスを使うのに支障がある?


A. あ、実はそれ左手。アホなことに反転した写真を投稿したんだ。だから支障はない。

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Q. 専門的なことを言うと、人は電圧(ボルト)では死なない。電流(アンペア)で死ぬ。

A. あぁ、知ってる。電流が何アンペアだったか見つけ出す必要があるな。そしたらもっとすげー話になるかもしれないし。 ま、俺が自分の治癒能力に下した「神レベル」って評価を剥奪するハメになるかもしれないけど。

Q. どうして誰もあなたがセクシーだってコメントしてないわけ?まったく!

A. ワーォ。:) ありがとう。

Q. ひょっとして、隠れたスーパーパワーを持ってる?指先から電流を放てるとか、そばを歩くだけで電球をちらつかせられるとか?

A. 嘘はつけないな。病院での2週目は、部屋を出て行く他の患者やナースに緊張させた手を向けること以外はなにもせずに過ごした。なんにも起こらなかった。でも諦めないぞ!



Q. 30ボルトの電流と3万フィートの落下から生き延びてからまた来て。

A. やってやるよ。 

Q. ハイファイブ(ハイタッチ)しようぜ!

A. ハイフォーと1/2。


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044932運が良かっただけかもしれませんが、人体って意外に丈夫ですね。


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