2006年にルームランナー上で踊るミュージックビデオで世界的人気を博して以降、次々と斬新なMVを発表し続けているアメリカのロックバンド、OK Goのダミアン・クーラッシュと、「The Writing's On the Wall」のMVを共同監督したボブ・パーティントンがAMA!

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photo credit: poptech via photopin cc

元スレ:I am Damian Kulash, lead singer of OK Go and director of our latest music video. I'm joined by my co-director Bob Partington. Ask us anything!(2014/06/19)
(OP)
僕はダミアン・クーラッシュ。OK Goのリードシンガーで、最新ミュージックビデオの監督もやってる。共同監督のボブ・パーティントンに連れてこられたんだ。AUA(僕らになんでも聞いて)!

今週(訳注:2014年6月19日のスレです)リリースされたミュージックビデオ「The Writing's On the Wall」:



オーケー・ゴー (OK Go) は、アメリカ合衆国シカゴ出身の4人組インディー・ロックバンド1999年結成。近年は楽曲のみならず、アイデアに富んだ破天荒なPVも高い評価を得ている。

現メンバー

  • ダミアン・クーラッシュ (Damian Kulash) – ボーカル、ギター
  • ティム・ノードウィンド (Tim Nordwind) – ベース、ギター、ボーカル
  • ダン・コノップカ (Dan Konopka) – ドラム、パーカッション
  • アンディ・ロス (Andy Ross) – キーボード、ギター、ボーカル
Wikipediaより



Q. 「The Writing's On the Wall」の撮影セットを作るのにどれぐらいかかった?一番難しかった点は?

A. (ダミアン)
倉庫で4週間かけたよ。全てのトリックアートにそれぞれ難しい点があった。一番時間がかかったのは最後のペイント。曲のタイトルのやつ。大勢の人でたくさん色塗りをしたよ。

(ボブ) 僕にとっては頭に被る仕掛けの使用が挑戦だった。自分の小さなスタジオで作業しながら、ティムの顔に設置するときにどうしたらピッタリとフィットするだろうと考えてたんだ。

 └(ダミアン) 「ティムの顔に設置する」……これ何百回と聞いたよ。

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Q. カメラの揺れは意図的なもの?それとも避けようがなかっただけ?

A. (ボブ)
あの揺れは避けようがなかったんだ。バンドメンバーでカメラをパスしてたからね。僕らは揺れを大幅に軽減するカスタムリグ(鏡のシーンで見えるよ)を使ってた。それがなかったら本当にクレイジーなことになってただろうね。

Q. 最後に現れる大勢の人たちをいったいどうやって隠れさせたんだい? あれに一番感心したよ。ハハ。

A. (ダミアン)
彼らはあの空間にある柱「陰」(カメラにとっての)に隠れていたんだよ。見つけるのは簡単だ。床のその部分にはトリックアートのパーツがペイントされていなかったから。 

Q. 
ひょっとして「This Too Shall Pass」と同じ倉庫?

A.  (ダミアン)
いや。あれはエコー・パークの倉庫。「The Writing's On the Wall」はニューヨークシティのベッドフォード=スタイベサントの倉庫だよ。

(参考動画:「This Too Shall Pass」のミュージックビデオ)

Q. 動画内の
一番気に入ってるトリックアートは?

A. (ボブ)
僕のお気に入りはキューブだよ。正面の小さいキューブが良かった。

Q. 作りたかったけど上手くいかなかったトリックアートがある?

A. (ボブ)
実はトリックアートの作成より時間のほうが大きな問題だった。4分間に全てを収められるか考えなければいけなかったんだ。最終的に、トリッキーな振り付けを使って全てを詰め込むことになんとか成功したよ。

Q. そのミュージックビデオの撮影成功までに何回かかった?誰かが失敗したら"ペナルティ"とかあるのかい?「Swear jar」(汚い言葉を使ったときに罰金を入れなければいけない貯金箱)みたいに?

A. (ボブ) 
フルテイクで30回撮った。でも61回目までは完全に満足しなかった。あれは午前4時頃だったね。

(ダミアン)

僕らにとっての「Swear jar」は、ボブを鞭打ちするための磔柱さ。ボブは悲しんでたね。彼は撮影が失敗する度に残忍に罰せられたんだ。そのおかげで彼のモチベーションはすごく上がっていたよ。
成功までは61テイクかかった。
ボブは病院で3日を過ごしたよ。

 └(ボブ) みんな、僕のことは心配しないでくれ……

Q. 最初のほうでティムは半分付け髭をしてるの?それとも……カメラに写ってない間すごい速さでヒゲを剃った!?

A. (ダミアン)
ティムはその週の大半を髭半分で過ごしたよ。そのせいでニューヨークシティでの彼の存在はかなりエキサイティングなものになったね。
動画のはじめ、ティムの髭の半分は付け髭だ。僕らのメイクアップチーム(ダヨン・カン、ジョアンナ・ピサーニ、ケルシー・マカロウ)はありえないぐらい優秀だったよ。彼女たちがやったことが未だに信じられない。12秒以下でティムの付け髭を剥がして、次の地点に走らせたんだ。その後、次のテイクの前に5分とかからずに再接着した。人間業じゃなかったよ。
それができるかって尋ねたとき、彼女たちは言ったんだ。「うーん……No。できそうにないわ。でも、OK。やる」そしてやり遂げた。

Q. 今まで作ったミュージックビデオで一番制作費がかかったものは?

A. (ダミアン) 
契約上、いくらかかったかは言うことができないんだ。でも「Needing/Getting」の制作費が一番高額だった。

Q. 「Needing/Getting」のミュージックビデオの撮影コースを制作するのにどれぐらいの期間がかかった?それと、どうやってそれぞれの楽器を正しいトーンに調律したんだ?

A. (ダミアン)
回答を助けてくれるメイキング動画がたくさんあるよ。
それぞれの楽器の物理的性質はちょっと違うけど、基本的に僕とブライアン・パーキンス(共同監督)と2人の男たち、ノア・ボウター(マサチューセッツ工科大学メディアラボの音の天才)とポール・ルドルフ(Glankっていう、見つけたものや手作りの楽器しか使わないバンドをやってる)で数ヶ月倉庫にこもってやった。ホームセンターや中古品特売店からたくさんのガラクタを仕入れてきたんだ。すごく長い間テストして演奏したよ。

(参考動画:「Needing/Getting」のミュージックビデオ)

Q. 「Needing/Getting」もワンカット撮影(はじめから最後までカメラを止めずに長回しで撮影すること)したの?

A. (ダミアン) 
違うよ。試みようとさえしてない。作成プロセスの初期はそれが可能かもしれないっていう望みを持ってたけど、無理だった。もしワンカットで撮ろうとしたら、さらに4、5ヶ月の制作期間と数百万ドルの制作費がかかっただろうね。僕らにはどちらもなかったよ。

Q. 「The Writing's On the Wall」の動画ではスポンサーが表記されてないことに気づいたよ。どうやって制作費を集めたんだ?

A. (ダミアン) 
僕らが自分たちで払ったのさ。

Q. レコード会社から離脱して一番難しかった点は?逆に一番良かった点は?

A. (ダミアン) 
レーベルは3つの点で優れてる。

1) 彼らはリスクを統合している。1バンドの成功に20バンドがかけられているから、つまり19バンドは自分たちの一生分の財産を費やすこと無く成功に狙いを定められる。それにミュージシャンの大部分は最高の経理担当者ってわけじゃないから、どっちにしろ注ぎ込む大金もない。
2) 彼らは(少なくとも理論上は)商業の不快さからバンドを保護している。ミュージシャンたちは自分たちがただ純粋に美しい自己表現を行っていて、汚い金のことなんかに心を煩わせていないと信じ続けることができる。
3) とりあげる価値のない他のこと。

だからこの3つを失ったことはストレスフルだった。
僕らが賭けているのは常に自分たちの金だ。それに退屈でうんざりするたくさんのビジネス関係のくだらないものに対処しなきゃいけない。
他の全ては前よりいいよ。僕らは前よりもクリエイティブ面の自由を持ってる。アイディアが導くところはどこでもそれを追求できる。あらかじめ金のことを知る必要無しに。それに、成功した時はその金をキープしてるんだ。
僕はフェンスのこっち側のほうが、向こう側より好きだよ。(でもこれはある程度は、僕らが数年間向こう側のシステムの中にいたから。だからそこを抜け出すときにすでにビジネスのやり方に関してかなりいいセンスを持ってたし、ファンを獲得してた。点と点を線で結んで全体像を作り上げるのに十分なほどに。活動を始めたばかりのバンドにとってはもっとずっと難しいだろう……)

Q.  ミュージックビデオのアイディアはどうやって思いついてる?

A.  (ダミアン)
ものすごくたくさんのドラッグ。冗談だよ。子どもたち、ドラッグをやっちゃいけないぞ。それから大人たち、君たちもやっちゃいけないぞ。それが自分のものじゃない限りは。もしそうなら、思うに、遠慮なくやってくれ。 特に、資格を持った医師に処方された場合はね。
アイディアがどこからくるのかはわからない。アイディアの天の王国から来てるんだ。僕が何度も侵入しようとしてる場所だよ。

 └(ボブ) 君、その薬は何か別のもののためだって言わなかったかい……?

  └(ダミアン) そうだよ、ボブ。忘れるな。青いのは朝に、赤いのはランチのときに飲むんだぞ。

 └・そのドラッグ・スローガンは車のバンパーのステッカーにする必要があるな。

  └(ダミアン) すごく大きなステッカーになるだろうね。あるいはすごく読みにくいのに。

Q. ミュージックビデオ内でのバンドメンバーの役割は、アイディアの段階では決まってない?それともどのメンバーがやるかを想定して考えてる?(例えば、「The Writing's On the Wall」だとティムが鏡をつかった錯視で髭が半分になるとか、ダンが塗料を浴びせられるとか)

A. (ダミアン) 
両方のコンビネーションだね。
誰が塗料ボックスに入ってもかまわない。でもティムは顔に鏡を使ったトリックをやらなきゃいけないだろう。彼は頭に全ての見映えする付属品(メガネ、髭、帽子)を備えてるからね。僕らはそれを使って遊ぶことができる。そうするとティムは塗料ボックスには入らないことになる。ティムに初めの2コーラスの両方ともを歌わせたくはないからね。アンディと僕はというと、基本的には塗料ボックスの除外対象だ。僕らの髪から塗料を落とすのには時間がかかり過ぎるだろうから。ダンは僕らより少ない髪に恵まれているし、そういうわけで、彼がグリルで塗料まみれになる祝福を受けたのさ。

 (ボブ) ダミアンはヒゲを伸ばせないんだ。だからティムになったんだよ。 

Q. これまでで一番気に入ってるミュージックビデオは?

A. (ボブ)「The Writing's On the Wall」

 └(ダミアン) ボブは嘘つきだ。だから全てのトリックアートが上手くいった。ボブは嘘をついてる。

  └(ボブ) 嘘じゃないよ。真実だ。いつも真実しか言わないよ。

   └(ダミアン) ほらね?パラドックスだ。嘘つきは常に正直者であると主張する。例証してくれてありがとう、ボブ。

(ダミアン) 僕は「一番のお気に入り」を決めるのが苦手なんだ。いろんな理由でいろんなものが好きだから、それらを順番に並べる方法が分からない。だから答えても誤摩化してるように見えるかもしれない。でもそんなつもりはないんだよ。
僕はミュージックビデオを撮影している期間のほとんどがかなり好きなんだ。本当に敬愛している人たちと一緒に、ひとつの夢のような計画を実行して、たいていはとても気に入る結果になる。そんなすごく楽しい数週間/数ヶ月間だから。大人のサマーキャンプみたいだよ。
今回のは特に素晴らしかった。全員が、文字通り、全員が素晴らしかった。ボブを除いて。

 └・僕のお気に入りは「End Love」だよ。大きな理由はあのアヒル。

Q. 君たちが作る素晴らしいミュージックビデオが、君たちの音楽を霞ませるかもしれないって心配をしてないかい?

A. (ダミアン)
いいや。僕らはいつもその質問を受けてる。でもこう考えて。
僕はシェフだ。君は僕のレストランにいる。君は僕に、このレストランが素晴らしいデザートで有名なことを心配してるかって聞く。僕はそれほどまでに素晴らしいデザートを提供してることを、それにそのデザートがとても美味しくて、並外れていて、独創的で、他のどのレストランとも違うデザートだと世界的に有名であることを、すごくすごく嬉しく思うよ。
結論から言うと、僕はとても美味しいメインコースも作ってる。たくさんの人がやってきてメインコースも楽しんでる。もし数百万人がデザートのために来て、数十万人がメインコースのことも気に入ってくれたら、それは素晴らしいことだよ。このレストランには好ましくないお客さんは1人もいないよ。

(参考動画:メンバーがちゃんと楽器をプレイしているミュージックビデオもあります(1人は旧メンバー))
 
Q. もしOK Goのメンバーが死闘を繰り広げたら、最後に生き残るのは誰?

A. (ボブ) ボブ。 





最近は最新ミュージックビデオのロケ地が日本の千葉で、Perfumeの3人もカメオ出演していることが話題になってますね。
OK GoのTwitterには日本へのメッセージも!来年2月には来日公演も予定されてます。管理人もチケットとりました!楽しみです!

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