自分が育った家族について『不健全だ』とか『不道徳だ』と主張する人たちがいる気持ちが、俺には正確にわかる」── 今回はアメリカで同性婚の両親に育てられた青年によるAMAです。

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元スレ:IAmA straight adult male who was raised with two gay dads (2011/08/02)

(OP)
ゲイ(同性愛者)の父親2人に育てられたストレート(異性愛者)の男だ。

同じような家庭で育った人たちがたくさんいることはわかってる。
だけど人にこのことを話すと、ほとんどの人からたくさんの質問をされるんだ。今の時代でさえも。



Q. 君は全ての罪(Sin)にどう対処しているんだ?
(訳注:宗教的観点から同性愛は罪であると考える人たちがいます)

A. 全てのジン(Gin)のことかい?トニックウォーターとライム。  

 └(質問者) 良い答えだ。一緒に飲もう。 
 
Q. 君は養子かい?だとしたら生物学上の両親との関係は?

A. 養子じゃないよ。片方の父親は生物学上の父親だ。彼と生物学上の母親が別れたんだ。2人が一緒にいたことを覚えていないぐらい、俺がすごく幼い頃に。

Q. きょうだいはいる?


A. 姉が1人。

Q. 生物学上の父親はいつゲイだとカミングした?君は事態を理解できるほどの年齢だった?

A. 俺はオムツを履いてたよ

Q. 父親たちは結婚してる?

A. 2年前からね。でもようやく同性婚が認められる場所に引っ越したってだけ。2人は23年間ずっと「結婚」していた。俺のほぼ全人生だね。

Q. 両親は伝統的な「父親的」役割と「母親的」役割を担ってた?それとも同じだけの責任を分担してた?

A. 実のところ、非生物学上の父親が「伝統的な」役割を両方引き受けてたかな。多才な男なんだ。優れた料理人で、全ての食事を彼が作った。それに彼のほうが高給取りだったし、かつ、ものすごく手先が器用だった(大工仕事とか配管作業とか、たくさんの事を俺に教えてくれた)。
一方、生物学上の父親は、話をしたい時いつも俺のためにそこにいてくれた。とても思慮深くて、会話が大好きなんだ。質問があるときやアドバイスが必要なとき、そういうときは今も昔も彼のほうがずっと適任だ。その敬意をもって、生物学上の父親とのほうがより仲が良かった。良き父であり、同時に良き友人でもあることに身を尽くしてくれていたからね。

Q. 両方ともDad(= 父さん、パパ、親父)って呼ぶの? 

A. ハハ、それを聞かれるのは笑えるよ。俺もずっと疑問に思ってたからさ。同性婚の養子は両親のことを何て呼んでるんだろうって。
俺の場合、生物学上の父親はDadで、もう1人の父親はDan(彼の名前。俺たちにとってはDadに十分近い)。笑えるんだ。俺が子どもの頃、DanはDadの別名だって思ってたのを思い出すからさ。同じ年頃の他の子たちがDanって呼ばれてるのを聞くと混乱したよ。

 └・うちの上司の子どもは彼女をマミーって呼んで、彼女の妻をママって呼んでるよ。:)



Q. 2人の父親を持つことが社会の普通じゃないって気づいたのはいつ?

A. かなり早いうちに。現実世界でもテレビの中でも、目にする他の家族がみんな自分の家族とは全く違っていたら、わりとすぐに自分が違ってることに気づくもんだよ。

 └・キリストには父親が2人いたぞ!

Q. 書類に記入するときなにか問題があったことはある?

A. 本当に一度もなかった。結婚式は面白かったけど。「花婿の父親たち」

Q. 母親との関係はどう?

A. 子どもの頃、父親たちと母親はずっととても親しかったよ。親権は父親たちが持っていたけど、母親ともよく会った。彼女は生物学上の父の親戚とさえ仲がいいんだ。

Q. 学校の保護者会に父親2人と参加したことある?どんな感じだった?

A. そういうのには参加してたけど、2人で一緒に行くことはあんまりなかったと思う。1人が行ってる間に、もう1人は子どもたちと一緒に家に残ってた。うちの学校は生徒がそういうのに参加するのを許可してなかったんだ。

Q. 学校のベストドレッサーでいられることは、君の対女性スキルにどう影響を及ぼした?

A. えぇと、もしベストドレッサーでいられたなら、おそらくもっと成功を収めてただろうね。
うちの父親たちは君たちのステレオタイプであるハイセンスなゲイカップルだった。特に生物学上の父親は。聞いたところによると、彼はもともとはひどいセンスを持っていて、もう1人の父親が「ゲイの流儀を彼に教え」なきゃいけなかったらしい。2人とも、インテリアのセンスやデザインやそういうもの全てに関しては、最終的に素晴らしいセンスを身につけた。
でも服となると、本当に2人とも、まるでストレートの男たちみたいな格好をしていたよ。

Q. 今までに君や家族について誰かに言われたことで、一番意地悪だったのは?

A. 心に残るようなことはあんまり言われなかった。子どもの頃、施設やレストランから立ち上がって出て行かなきゃいけないことはある程度あったよ。大きくなって何が起こってたか気付くまで、その理由がわかっていなかった。たいていは絶えずジロジロ見られて、彼らの話題にされる。極度に攻撃的なことを言われるのはしばしばあった。おそらくバイブル・ベルトでの成長に期待できるだろうことさ。

バイブル・ベルト(Bible belt、聖書地帯)は、アメリカ合衆国 の中西部から南東部にかけて複数の州にまたがって広がる地域で、プロテスタント キリスト教根本主義 南部バプテスト連盟 福音派 などが熱心に信仰され地域文化の一部となっている地域。同様にキリスト教会への出席率の非常な高さも特徴になっている。社会的には保守的であり、 進化論を教えることが州法で禁じられていたことがあるなど、キリスト教や聖書をめぐる論争の絶えない地域である。
Wikipediaより

関連記事:【ヘイトスピーチ】ウエストボロ・バプティスト教会だけど、なんか質問ある?【超過激宗教団体】

Q. なんで君たちがレストランから出て行かなきゃならなかったんだ?店員がそうしろと言ったのかい?
(訳注:アメリカには、小売業や飲食店などに対し、信仰上の理由で同性愛者へのサービスを拒否する権利を認めている州があります)

A. わからない。でも明らかに俺たちが「招かれざる客」なとき……。どこかに出かけて、しばらくして両親が突然、そこから出る必要があると決心することがよくあった。基本的には険悪なムードを避けるためとか、子どもだった俺たちをトラウマになるような体験から守るためだった。

参考動画:以下は『What Would You Do?』という米ABCの番組で、信仰に篤い地域のレストランにおいて同性愛者が口撃された場合、周りの客がどう反応するかを観察した回です。
↓同性カップルの場合

↓同性夫婦とその子どもたちの場合


(『What Would You Do?』の過去動画は公式サイトで無料公開されています。差別や虐待、事件などを目撃したときに、縁もゆかりもない人たちがどう行動するかを観察する番組で、たいへん興味深いです)

Q. 両親がもっと同性愛嫌悪の少ない土地に引っ越してくれたらいいのにと願ったことある?そういう経験から君たちを守るために。

A. よく思ったよ。でも子どもの頃にできることは多くなかった。俺は両親がそこに残る理由を知っていた。そこは生物学上の母親が住んでいる場所で、彼らは俺が必ず母親と会えるように計らってやりたいと思っていたんだ。
姉と俺が大学に入ったら、両親はそこをさっさと脱出したよ。

Q. ゲイの両親を持つせいで、君がたくさんのひどい目にあったってほうに賭けるよ。:/


A. 子どもの頃は長い間、両親のことを隠そうとしたり、問題を避けようとしたりしてたよ。
幸運にも、姉は俺ほど恥ずかしがったりまごついたりしてなかった。姉が気づかせてくれたんだ。もし誰かが、うちの両親がゲイだということを問題にするなら。そいつら糞食らえ。どうせ友だちになる価値のない奴だったのさ。

Q. うちの家族と同じだな!うちの母親はあまり母親らしくなかった。彼女にハグされ始めたのは13歳を過ぎてからだ。父親たちが俺を受け入れてくれたことに感謝してる。もし母親の元に置いて行かれてたら、たぶん俺はいくぶん無知で、感情的に閉じた人間になってただろうからさ。
同じように、うちの姉は2人の父親を友だちに紹介することに何の問題も抱えていなかった。一方、俺が父親たちについて話したのはたった1人だけだ。主に俺たちが住んでる地域のせいさ。


A. 俺にとっては、父親について男友達に話すより、女の子たちに話すほうがずっと楽だった。ただ自意識過剰すぎただけさ。男友達に話したら、俺には男らしさが足りないって思われると考えてたんだ。
過去に戻れたらと思うよ。はじめっからみんなに対して、ただオープンでいられたらと。それが子ども時代の深い後悔だ。

Q. 子どもを育てようとしてる同性カップルに、君はどんなアドバイスをする?

A. 子どもと潜在的な問題について話し合ってほしい。学校で、友人との間で、そして一番大事なのは友人の親との間で起こりうる問題について。学校の友だちのほとんどはうちの両親がゲイだということを気にしちゃいなかった。いつもたくさん噂されてたのは知ってる。ほとんど学校中が知っていた。受け入れる勇気が湧いてくるまで、数年間否定し続けていたけど。どうせ俺にできることは何もなかった。いったん全員が知ってると気づいてからは。 
最大の問題は、自分の子どもを俺に近づけることに問題を抱えている親たちだった。でも俺が中学を卒業する頃には、友人たちの親全員が気にしなくなっていた。長い時間がかかったけどね。

 └・親たちや教師たちと話し合うことは重要よね。私は2人の母親に育てられたけど、なにも説明する必要がなかった。両親が初めての保護者会で他の親御さんたちに説明して、親御さんたちが自分の子どもたちに説明したの。嬉しかったわ。先生に「お父さんは何の仕事をしてるの?」と聞かれても、5歳の私にはどう説明したらいいのかわからなかったから。

Q. あなた、女の子受けした?だって私、あなたと友だちになりたいと思っただろうから。

A. 高校に入ったら、うん、若干ね。たくさんの女の子たちが思い込みを持ってたからだろう。俺が他の男たち並みに男らしさを誇示するクソ野郎じゃないだろうとか、もっと繊細だろうっていう。おいおい、彼女たちは間違ってたよ!
冗談だ。

Q. 息子が家に連れてきた女の子の気を引こうとしない父親を持つとは、さぞ素晴らしかろうね。

A. どういうわけか、うちの両親はいつも女の子の注目を俺から盗もうと努力していたんだ。俺は2人の父親をもつ男とデートするのが「クール」だからという理由だけで、俺とデートしたがってたようにしか思えない女の子と付き合ったことがある。彼女との関係はかなり早く終わったよ。 

Q. 君の両親は君をゲイに育てようとした? 

A. ストレートにもゲイにも育てようとはしてなかった。ゲイの人たちは、自分の子どもの性的指向に影響を与えようとする努力がどれほど無駄なものか、すごく良く理解してると思う。  

Q. 君の父親は、性やセクシャリティや、自分たち家族のユニークさに関する質問にどう答えた?

A. 正直言って、あんまり質問しなかった。両親も性については多くを語らなかった。彼らが言ったのは、「お前たちが同性愛者だろうと異性愛者だろうと、他の何者だろうとかまわない」ということだけだった。
10歳だか11歳だかに家族でなにかの映画を見ていて、ベッドシーンがあったのを覚えてる。生物学上の父親は、「うーーーん……2人とも、セックスなんかについてはもう知ってるだろう?学校で全部教わってるよな?」とだけ言った。姉と俺はただ「まーね」と言って、それで終了。
 


Q. 俺はただ言いようのないほど素晴らしいと思っている。君の明らかな正常性が、ゲイの両親には子どもを正常に育てられないと信じている奴らの目に指を突っ込むことを。

A. わかるよ。アイオワ州で同性婚の違法化が議論されている最中に、2人の母親を持つ青年が議会で行った証言を聞いた時、俺はほとんど泣きそうだった。自分が育った家族について、「不健全だ」とか「不道徳だ」と主張する人たちがいる気持ちが、俺には正確にわかるから。
(訳注:最終的にアイオワ州の同性婚を違法化する法案は否決されました) 

Q. 僕も君と同じだ。うちの家族は君のとすごく似てる。僕は母と暮らすよりも父とそのゲイのパートナーと暮らすことを選んだ。自分の選択に後悔したことはない。
高校時代はちょっとタフだったけど。生物学上の父親は本当に男らしい(彼がゲイだなんてはたから見たらわからないだろう)のに、もう1人の父親はゲイなのが丸わかりだった。だからミーティングやなんかには一度も参加できなかったんだ。それでも、僕はずっと学校一のベストドレッサーでいられたよ。あぁ、それと。彼らのセクシュアリティは、僕にはなんの影響もなかった。


A. 興味深いね。うちの生物学上の父親も同じだよ……より男らしい。もう1人の父親はすごくはっきりゲイだとわかる。たぶん生物学上の父親が、一時は女性を愛したって事実と関係があるのかもしれない。少なくとも、女性との子どもをもてるぐらいには。
君の父親たちは炭酸飲料を飲ませてくれたかい?俺は 高 校 生 になるまで許されなかったんだ。最悪だよ。それだけが悪い面だった。それに毎晩家族みんなで食卓について夕食を食べさせられたし、午後10時を回ったら電話を使っちゃいけなかった。

 └・ほら見たことか!俺には分かってたぜ。ゲイの両親は子どもにトラウマを与えるとな!

Q. 私の音楽教室の生徒のうち、2人がゲイカップルの子どもよ。今まで見た子たちの中で、あの子たちが一番愛されてるように見えるわ。今までに、ほとんど関心や愛を与えられていない、「普通の」両親を持つ生徒たちをたくさん見てきたの。あの少年たちはまだ8歳で、女の子に触るとCootiesがうつると思ってる。だから、彼らの性的指向についてはなにも言えない……。私はただこの話をシェアしたかっただけ。AMAをやってくれてありがとう! 
(訳注:Cootiesとは、子どもたちの間で異性に触るとうつると信じられている病気です)

A. 同じ状況にある他の人たちの話を聞くのは面白いね。同性カップルに育てられた子どもは数人知ってるんだけど、みんな女の子なんだ。
間違ってるかもしれないけど、個人的には、ゲイの両親に育てられた男たちは、ゲイの両親に育てられた女の子たちとは違うと思うんだ。周りに期待される伝統的な男らしい父親像を持ってないからさ。子どもの頃、周りの子の誰とも大きな違いはなかった。でも他の人たちのものの見方が、俺に大きな影響を与えたんだ。そういうこととなると姉は俺よりも気楽にやれた。姉の友人たちはこの状況をそれほど変に思っていなかった。
俺と母親とよりも俺と父親たちとの関係のほうが、より強く、より健全だったことを付け足したい。俺は健全な恋愛関係の全てを父親たちから学んだ。2人の仲の良さがずっと羨ましかったよ。妻と出会って、かつて父親たちに見ていたのと等しい幸せを感じられるようになるまでは。

Q. もし母親と父親に育てられていても、今の君と同じ人間に育ったと思う?それとも人生の見方が違っていたと思う? 

A. 本当に難しい質問だ。俺に言えるのは、俺が知ってる人たちと彼らのストレートの両親たちとの関係よりも、俺とうちの両親との関係のほうがずっと愛情深かったってことだけだよ。それは俺にとって、何も間違っていないという十分な証明だった。
もし母親だけと暮らしていたら、事態は明らかに悪いものになっていただろう。彼女はたくさんの問題を抱えていたし、家族を養う能力はあまりなかったから。

Q. 幼い頃ゲイになりたいと思ったことある?(子どもってのは親の真似をしたがるもんだ) 

A. ときどき自分もゲイだったら楽だったんじゃないかと思ったよ。変に聞こえるのはわかってる。でも子どもの頃、女の子に好きになってもらうのにたくさんのトラブルを抱えてたんだ。幼い頃から女の子のほうに興味があった。けど、覚えてるよ。うちの両親はすごく簡単に関係を築いてるとよく思ってた。俺にとっては、男の子たちのほうが付き合いやすかったし、理解しやすかったからってだけさ。女の子たちは異国の領域だった。でもその年頃のほとんどの男の子たち同様、俺はその気まずさを乗り越えて、女の子をデートに誘う根性を手に入れなきゃいけなかった。

 └・女の子たちは異国の領域だった。 
俺は27なのに、そう思わなくなる気配が全然ない。 

  └・俺も未だにそう感じてるよ。
 
 


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ゲイに育てられると子どももゲイになるとの考えにびっくりしました。その理屈でいくと、ストレートの両親に育てられたゲイはいないはずでは……

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