「俺たちは警官と違って令状を取る必要がない。ただドアを蹴破って、逃亡者を捕まえるだけさ」─ アメリカでバウンティハンター兼 保釈保証人をやっていたアメリカ人男性によるAMA!

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元スレ:IamA Ex-Bail Bondsman/Bounty Hunter of 8 Years in NYC AMA!(2015/02/04)

(OP)
ニューヨークシティで8年間、保釈保証人とバウンティハンターをやっていた。なんでも聞いてくれ。

証明:
http://www.westchestermagazine.com/Westchester-Magazine/May-2009/Our-Man-the-Bounty-Hunter/

Mod(IAmA管理人)が本人確認済み。

バウンティハンター(Bounty hunter)とは、日本語では通称「賞金稼ぎ」と呼ばれている職業である。賞金稼ぎは、該当する法律に従って犯罪者逃亡者を逮捕することで報酬を得ている。
現代のアメリカにおけるバウンティハンターとは、保釈保証業者(Bail bondsman)からの逃亡者を捕まえて賞金を受け取る業者である。
Wikipediaより




Q. 君から逃れる最良の方法は?

A. 俺を殺る。

Q. 逃亡者が犯す一番の間違いってなに?

A. あいつらはいつも、知られてるガールフレンドの家か親戚の家にいる。

 └・(メモとペンを手に取る)続けてくれ……

Q. 平均的な仕事の日を一通り説明してもらえる?


A. ふだんの日は君たちが期待してるようなものじゃない。
オフィスに出勤して、ファイルをまとめて、自分の担当してる訴訟が呼ばれるまで裁判所に座ってる。で宣誓を立てて、判事から書類をもらって、それを持って被告人を出しに拘置所へ行く。1日のうちだいたい7〜10割がこういう仕事さ。時間はかかるし、大半は退屈だ。でも弁護士や判事や事務官と知り合いになれば、ちょくちょく会話を楽しめるようになるよ。

Q. 笑える思い出話があるかい?

A. たくさんある。一度はライカーズ島でクローゼットに閉じ込められた。被告人の保釈を渋った看守に悪態をついたせいだ。長い話を短くまとめると、判事が電話してきて俺を出してくれた。俺を閉じ込めた看守は停職処分になった。

 └・なんてこった!なんでその看守は被告人を出したがらなかったんだ?

  └(OP) そいつは被告人を牢屋から出す権利を誰も持つべきじゃないと思ってたのさ。被告人たちへの個人的な不平不満を言っていた。だからそいつに被告人を出すのは義務だと教えたら、俺に怒鳴ってきた。俺はそいつのデカいケツを動かすために、お前は裁判所の命令に違反してるぞと言い返した。そしたらクローゼットに閉じ込められた(大爆笑)

ライカーズ島英語Rikers Island)は、アメリカ合衆国ニューヨーク市イースト川中州である。
厳しい環境で知られるライカーズ刑務所があり、未決勾留被告や短期禁錮受刑者らを収容している。ここはニューヨーク市のメインの刑務所であり、世界最大規模の矯正施設である。
Wikipediaより


Q. 保釈保証業者ってどうやって金を稼いでるんだ?

A. 俺たちが金を稼ぐ方法は2通り。

1. 被告人が保釈金の約40%を担保として入れる。俺たちは手数料として約10%を受け取る。

君の保釈金が1万ドルとしよう。君の家族がやってきて、俺たちに40%(4,000ドル)と手数料の850ドルを支払う。俺たちは850ドルを手に入れるが、その後もし君が逃げた場合、俺たちがしなきゃいけないのは、君を捕まえるか、満額の1万ドルを裁判所に払うかだ。だから君を捕まえて連れ戻しに行く。君は担保を失い、連れ戻した俺たちは裁判所に一銭も払わずに済む。そういうわけで、俺たちは総額4,850ドル(約60万を手に入れる。
もし君が逃げなかったら、俺たちは850ドルに他の手数料を足してだいたい1,000ドル(約12万を手に入れる。各保釈保証業者は1日にだいたい10〜20件の保釈を扱ってる。

2. 被告人を拘置所から出すために、俺たちの保険から裁判所に保釈金を払う。もし逃げたら担保は全部俺たちのものだ。ときには家の譲渡証書を担保に入れる被告人もいる。

 └・わぁ、被告人が逃げたら保釈保証業者が儲かるなんて知らなかった。

  └(OP) あぁ、おかしな話だよ。

保釈保証業者は保釈金を肩代わりする際に被疑者からいくらかの手数料を受けとり、これが保釈保証業者にとっての利益となる。基本的に保釈金は被疑者が指定された期日に裁判所に出頭し、裁判を受ければ返還されるが、もし被疑者が保釈期間中に逃亡し、裁判を受けなかった場合には、保釈金は返還されない。
Wikipediaより

Q. 一件で稼いだ最高金額は?

A. ある人物を100万ドル(約1.2億円)で保釈した。40万ドルが担保として支払われたが、そいつは逃げた。俺は4人チームを組んでそいつを捕まえた。雇ったメンバーに5万ドルずつ、計15万ドルを支払って、残りは会社と俺が頂いた。
だから25万ドル(約3,097万円)弱。

 └・おい兄弟、俺と組もうぜ!

Q. 君の記事に「武器を持たずに」って書いてあるけど……逃亡者を穏やかに説き伏せるのかい?


A. 武器は持ってたよ。ニューヨークシティじゃ持ってなかったが。それより不意打ちとタックルだ。俺たちには警官と違って令状を取る必要がない。ただドアを蹴破って、逃亡者を捕まえるだけさ。

Q. それ法的にどうなんだ?なんで君たちはドアを蹴破れて、警官にはそれができない?それって家宅侵入罪と違うのか?

A. いいや。俺たちが被告人を刑務所から保釈したら、代理委任状が被告人自身によって俺たちに渡される。警察には捜査令状が必要だが、俺たちには代理委任状が必要だ。代理委任状は保釈後すぐに与えられる。実質、被告人は俺たちに、裁判が終わるまでの所有権を与えているわけだ。望めば薬物検査もできる。足首に巻く追跡装置やなんかは使えないが。
それを理由に警察の中には俺たちを嫌ってる人間もいるし、そいつらは俺たちを酷い目に合わすこともできる。だから常にあらかじめ警察に連絡しておくのがオススメだ。警察が俺の代わりに被告人を捕まえたいかどうか、現場で俺と落ち合いたいかどうかを確認するために。そうすれば時間や金なんかの節約にもなるし、トラブルも防げる。
俺たちは警察と違って法執行官じゃない。だから州をまたいで令状なしで逃亡者を捕まえる権利を持っている。とは言え、逮捕されたり裁判にかけられたりしないわけじゃない。実際に法を犯していない限り、有罪判決を受けることは絶対にないが。



Q. 非致死性武器とか致死性武器とか、使える武器の限界は?州による?

A. 大部分はダメだ。銃に関する法律は州によって様々だが、連邦法にはこう書かれてる:「法的に雇用された保釈執行代理人は、一般的でない武器の州を越えた携行が可能であり、州境をまたいだ逃亡者の逮捕において正当に強制力を使用できる。保釈執行代理人は最高裁判所の許可のもと、任務を遂行する」

Q. ニューヨーク州の他にどこで逃亡者を捕まえた?

A. サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、ニューハンプシャー州、カリフォルニア州、テキサス州、ジョージア州、コネチカット州、マサチューセッツ州、それとカナダとメキシコ。
もっとあるが、今は思い出せない。

 └・カナダもメキシコも保釈保証人を認めてないよ。そういう国で被告人を逮捕するのは違法だ。

  └(OP) それは間違いだ。カナダ警察とは2度一緒に仕事した。メキシコは君の言うとおりだが、なんとかなるもんさ。 

Q. ドアを蹴破ったら、逃亡者が君だとわからずに銃で撃ってきた、みたいなことあった?

A. あったよ。だからノックして知らせようとしてる。あるいは先に警察に知らせる。もしそいつが重罪の被告人だったら、銃は持てないはずだが。

Q. 防弾ベストを着てるの?

A. あぁ、防弾ベストはいつも着ていたよ。 

Q. 何人捕まえた?

A. 俺が捕まえたのは100人ぐらい。でもいつもチームと行っていたし、保釈保証人として、事務処理をして誰かを送って捕まえさせる委任権も持っていた。

Q. どれぐらいの人が逃げようと抵抗して、どのぐらいの人が大人しく捕まるもんなんだ?


A. 60%は大人しく捕まるかな。それに逃げるのは約30%だけだ。
だから100人保釈したら、30人が逃げて、そのうちだいたい20人は大人しく捕まる。

Q. 逃亡者を見逃すのと引き換えに金をもらう保釈保証人がいるって聞いたことある?

A. ない。でも絶対いるだろう。

Q. 今までに保釈の依頼を断ったことある?その理由は?

A. ある。理由はそいつが逃げそうだと思ったか、そいつのやったことが気に入らなかったかだ。有罪が証明されるまでは無罪だとしても。俺はレイプ犯は絶対に保釈しない主義だ。

関連記事:【24年と】無実の罪で42年間刑務所に入れられてたけど、なんか質問ある?【18年】

Q. 保釈金の額って似た犯罪だと同額になる?人によってさまざま?

A. いい質問だ!
保釈金の額は法律上は「逃げる可能性による」はずだ。だが判事たちはこれに従わず、犯罪とその他自分たちが思ったことに基づいて設定してる。

Q. 保釈保証業者の手数料はみんな同じ?もしそうなら、競合他社とはサービスとかスピードとかで競ってんの?

A. ニューヨークでは同じだ。サービスやスピードや、犯罪コミュニティーへの知名度で競ってる。例をあげると、俺のオフィスでは3人の元ヤクの売人が雇われてた。チンピラたちと知り合いだからさ(爆笑)

Q. 君の最高の捕り物話を教えて!

A. サウスカロライナ州に行って、捕まえた男を2日間ホテルのバスルームに手錠でつながなきゃならなかったことがあった。俺の車が壊れたせいだ。実を言うと、そいつとは友達になったよ。

Q. じゃ最悪は? 

A. 銃撃されたときはいつも最悪だった。幸運にも、弾が当たったことはないが。

Q. 一番難しかったケースは?

A. 説明が難しいな。さっきも言ったように、発砲されたことがある。あるときは顔を切られ、またあるときはガレージの扉を車で突き破って逃げようとした男がいて、友人がもう少しで轢かれるところだった。ドミニカ共和国なんかの国外に逃亡した被告人たちもいた。そういう国が被告人をアメリカに引き渡すことはない。だから俺たちは結局金を失う羽目になった。
 
Q. どうやったらそのビジネスを始められる?

A. ほとんどの人間は知人を介して。俺の場合は、昔のガールフレンドの母親が保証会社のオーナーで、彼女を通じて始めたんだ。
州によってバウンティハンターのライセンスの取り方は違う。ニューヨーク州の場合はニューヨーク州保険局の管轄だ。必要なのは自分自身の保釈金と、いろんな試験と犯罪捜査官や精神分析医との面接に合格すること。

Q. 必要なスキルはどこで学べるの?

A. 君に必要なのは、保釈保証業者の営業機関に連絡を取って、要求される試験の合格目指して仕事を学ぶことさ。

Q. 仕事でなにが一番楽しかった?

A. 一番楽しんでたのは金。でもいつも長時間、数週間休みなしで働いていた。そのせいで転職したんだ。

Q. 『スターウォーズ』に出てくるバウンティハンターで誰が一番好き?


A. 実は今まで一度も見たことないからわからないんだ。

 └・な、んだと……?

 └・おい、いったい誰がこのモンスターをここに連れてきたんだ!?





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保釈後に逃亡を試みる人が30%もいることに驚きました。バウンティハンターというと西部開拓時代の賞金稼ぎのイメージがありますが、現代アメリカでも必要とされている職業なんですね。

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