「Q. 立ったままオシッコ出来ることを恋しくなるときがある?」「A. 恋しくなるとは言わないけど、立ったままできるのはすごく便利だった」── 男性から女性の体へと驚きの変貌を遂げたトランスジェンダー女性によるAMA(なんでも聞いて)!
Q. 証明を見た後アルバムを見て、「うわぁ、科学の力ってスゲー」ってなったよ。今の君を見て昔男だったかもなんて夢にも思わないだろう。ぶっ飛んだよ。性別移行の間ずっと同じ職場で働いてた?もしそうなら、同僚たちは君をどう見てた?
A. 今の会社では、常に女性として「パス」(訳注)し始めたホルモン療法7ヶ月目ぐらいから働いてる。マネージャーたちは知ってるし、女性の同僚の1人2人も知ってる。でも職場の男性は1人も知らないし、わざと知らせずにいる。彼らとの交流を「変な」感じにしたくないし、私と軽口叩いてじゃれ合うことを「ゲイ」だと思って変な気分になってほしくないし、違う時代に育ったずっと年上の男性たちだから、知らぬが花で生活しててもらう方がいい。
マネージャーたちはずっと素晴らしい対応をしてくれてる。採用後に性別移行について話題にされたことは一度もない。彼らが褒めたり批評したりするのは私の仕事ぶりだけ。「本物の」女性として見られてないと感じたことは一度もなくて、それにはすごく感謝してる。
(訳注:トランスジェンダーが自認する性別で周囲から認識されること)
Q. ヒゲ生える?
A. もう生えない。毛根を殺す電気脱毛とレーザー脱毛をやったから、今の時点で98%生えてこない。

Q. 性別移行で最大の関門はなんだった?
A. うーん……おそらく声を変えること。ほとんどのトランス女性よりもずっと簡単だった。ずっと歌を歌っていたし、長い間モノマネをやってきたから。でもニュアンスや女性特有の語調に磨きをかけるのは難しくて、望むレベルまで持っていくのに多分4ヶ月のハードな練習が必要で、その後の1年で少しずつ良くしていった。
Q. 君の体のどの部分が100%本物でどの部分が手術の結果?
A. 全部が本物。手術はなにも受けてない。

Q. その肉体を維持するのに日々何が必要?その処置はそのうち問題を引き起こす可能性がある?
A. エストロゲンとプロゲステロン、テストステロンの分泌をブロックするアンチアンドロゲンを摂ってる。そのうち問題になるようには見えない。特に、アンチアンドロゲンは手術してテストステロンを分泌しなくなったら摂取しなくてよくなるから。
Q. どれぐらいのお金がかかるの?どうやって費用を賄ってる?
A. 私のホルモン費用は月40ドル、せいぜい。生殖器の手術は1万2千ドルから3万ドルの間。外科医と場所による(個人負担)。
└・うちの会社はその手術費もホルモン療法も他の費用も負担してくれるよ。何人かそのプロセスを通過した社員がいる。科学ってほんとすごいよね。
└(OP) もしもし、私 私。あなたの会社の社員。
A. 始めたときは22歳、今は24歳。ずっと自分を女性と思っていたとは言わない。そう思うことを自分に「許して」なかったから ── 女性の体をしてないのに自分を女性とは呼べないって自分に言い聞かせてた。頭の中ではずっと1人の女性であることを知っていたけど。
Q. 知らない人たちと女性として接するときと男性として接してたときの顕著な違いはなに?
A. 今は男性がわざわざ私のためにドアを開けて通してくれる。あるいは私に助けが必要か聞いてくれる。
女性は私が側にいるときに前よりずっと落ち着いてるし、髪やメイクや服を褒めてくれるし、前よりも親しくしてくれる。(訳注)
1人の男性としては、ちょっと寂しかった。みんな感じ良く接してくれてはいたけど、交流を持とうとはしなかったから。夜遅くに大学からアパートに帰ってるとき、私の存在が前を歩く女性たちを不安にさせているのが手に取るようにわかった。今逆の立場になって、どうして彼女たちがそんな風に感じていたのか心から理解できる。とは言えいい気分はしない、わかるでしょ?
(訳注:アメリカ人は同じエレベーターに乗り合わせたり、同じ行列に並んだりしただけの全くの他人であっても、親しげに話しかけたりしてくる傾向にあります)
Q. あなたも1人の女性として、公共の場や職場とかでアプローチされたり、ハラスメントを受けたり、物扱いされたりする?
A. うん、確実に。良くも悪くも、女性でいる方がもっとずっと注目を浴びる。一人でほっとかれた頃を恋しく思うことがある。
Q. 本当に女性になったんだと実感した最初の出来事は?
A. ちょっとフェミニンな格好をして、恋人の家に向かう電車に乗ったときのこと。座ったら前のシートの男性が振り返って、私を上から下まで眺めて言った。「よぉ、美人さん。調子はどうだい?」私は心の中で呟いた。「ふむ、今後はこれを経験するってわけね。人じゃなくて肉の塊になった気分」
└・肉の塊のような気分になって初めて、本物の女性の気分がしたって?
└(OP) 女性になった気がしたのは、一部の男性が私を昔のように対等な存在と見なしたり、敬意を持ったりしないこと、公衆の面前で私にキャットコール(訳注)する必要を感じてることに気づいた時。そのとき初めて、自分が他の女性が日々直面してるのと同じ問題を抱え始めてると感じたの。
└・俺は異性愛者の男だけど、酔っ払った女性たちにキャットコールされたことが何度かある。めちゃくちゃ気不味かった。あんなことに日常的に直面するなんて、想像もできないよ。
(訳注:キャットコールとは、街中で主に男性が通り過ぎる女性に対して、口笛を吹いたり、「ヘイ、ベイビー!」だの「いいケツしてんな〜!」だの大声で声かけしたりする行為。40歳以下のアメリカ人女性を対象に調査した結果、96%が過去一年以内にキャットコールをされていたという事実も。【参考動画】「キャットコールされる娘を見た父親たちの反応 」「キャットコールされる母親を見た息子たちの反応」)
A. 前の自分と比べて、すごく、すごく弱くなった ── 現時点ではガールフレンドより弱いかも。
男性の強さは全て失った。筋トレしてなくても、前はテストステロンのおかげで自然な筋肉だけで4、5回懸垂できた。先週試してみたけどたった1回ですらすごく苦労した。どんな男性からも身を守る自信は全然ない。5フィート7インチ(約168㎝)、130ポンド(約59㎏)だし。
Q. ガールフレンドってことは、今の君はレズビアン?
A. バイセクシャル。でも今はレズビアンの交際してる、うん。
Q. 性別移行で性的指向が変化したの?それともずっとバイだった?
A. 過去を振り返って自分がずっとバイだったことに気づいた。男性に惹かれてる自分を認めようとしていなかっただけ。それって「ゲイ」だから(皮肉でしょ?)。それに本当は男になんか興味ないと自分を言い負かす言い訳を考え出してた。空想の中では女性の自分が男性たちにお尻を取り囲まれる想像をしてた(イェーイ、ママ見てる〜?)にも関わらず。
Q. 自分の体の性別とジェンダーが一致してないと気づかされた出来事が特になにかあった?
A. 頭の中のパンドラの箱を開けた決定的出来事があったとは思わない。小さな出来事がたくさんあっただけ。
カトリックスクールの3年生だったとき、誰かが先生に天国で人はどんな姿をしてるのか質問したのを覚えてる。先生は「天国でのあなたたちは、なりたい年齢、なりたい姿になんだってなれるんですよ」みたいなことを言った(先生は3年生相手に話をややこしくしたくなかったんだと思う。ハハ)。純粋にも私は死ぬことにすごくワクワクした。8歳か9歳だったから、死だけが唯一私が知ってる女の子になれる方法だった。自殺をじっくり考えたりはしなかったけど。「わぁ、人生を終わらせようよ。天国に行きたい!」って感じ。
Q. 自分の男性器を邪魔者だとか欠陥だとか余分な物だとか感じてる?
A. 男性器はただの……私の一部分。彼が私にくっついてるのは彼のせいじゃない。私に機能する生殖器を与えようと今までベストを尽くしてくれた。その点では彼に感謝しなきゃ。けどそれでもいつか女性器が欲しい。
Q. どうして性別適合手術を受けないの?
A. お金。それに今は適切な時期じゃないってだけ ── ガールフレンドと私は子どもを持つことを考えてるし、子作りの一番簡単な手段が自然な方法だし、そのためには私の道具が必要になるから。
Q. ホルモン療法って精液が作られなくなるんじゃない?まだ「充分に」作られてる?それとも妊活中はホルモンを止める必要がある?
A. もう一度精液を生産するチャンスを得るためにホルモンを中断しなきゃいけない。保証はない。でもリスクに見合う価値があると思う。私たち、本当に美しい子どもたちを持てるはず。ハハ。
Q. ガールフレンドとの出会いは?君の状況をいつ説明した?
A. OKCupid(訳注)で出会った。男だったときに。その後ちょっとデートして、ほとんどすぐに彼女が運命の相手だとわかった。ほんとに完璧に気が合って。でも彼女が私の性別違和を知ったらフラれるんじゃないかとすごく怖かった。その恐怖で私から彼女との関係を断ち切った。
1年後に性別移行を決心したとき、彼女に私の行動を謝罪して理由を説明するメッセージを送った(酔った勢い)。彼女は理解してくれたし、実は彼女が女性の方が好きなバイだったことが判明した。だからまた仲良くなって、私がホルモン療法を始めてすぐにデートを再開した。それ以来ずっと一緒😃
(訳注:アメリカの出会い系サイト。出会い系というと日本ではあまり良くないイメージがあるかもしれませんが、アメリカではオンラインの出会い系サービスがより広くよりカジュアルに利用されています)
A. 前は元恋人たちとの間に見えない壁があった ── 恋愛関係の中で全くの私自身ではいられなかったし、その理由を元恋人たちに説明できなかった。ようやく説明して、それが恋愛関係のいくつかを終わらせることになるまでは。私はずっと、すごく従順で、抱き締めたくなる、愛情深い気分だった。でもそういう衝動に従って行動できる気が全然しなかった。元恋人たちのために「男」でなきゃいけなかったから。みんな自己主張のはっきりした男らしい男性が好きだったから、そういう感情を切り抜けるのがすごく上手くなった。今は恋愛において私自身でいられる本当の自由を味わってるし、前よりずっと本物だと感じてる。
└・じゃ……従順な男性が好きな女性と付き合えばいいんじゃない?
└(OP) 性別移行したのは脳と一致させるために女性の体を持たなきゃと感じていたから。セクシュアリティの指向とは無関係。
Q. 性的欲求はどう変化した?
A. 劇的に変化した ── 性別移行前よりずっと強くなった。でもたぶんプロゲステロンのせい。性別移行を始めてしばらくの間はすごく弱くて、解放されたみたいに感じてた。でも今は日常的に求めてる。自分の体がすごく良い感じだし、もっと使いたいと思ってる。ハハハ😝
A. 前より泣く。それでもよく泣く方じゃないけど。昔からすごく人に共感するタイプだったから、ホルモン療法がその点とかを変えたとは思ってない。感情の状態や思考に関して言えば、前はそれがどれだけ暗くぼんやりしていたかを思えば、すごく「クリア」になったと感じてる。その理由は、今は正常なホルモン状態にあって、おかげで幸せだからだと思う。
Q. 法的な面はどうなってるんだい?出生証明書や運転免許証とかの性別を苦労してなんとか変更した?
A. 新しい名前と性別になった免許証を持ってる。社会保障とパスポートを更新するだけでよかった!
Q. 今も前と変わらないものは?
A. 前と同じもの ── うーん、前から知ってる人たちは全然接し方を変えない。すごくありがたく思ってる。正直、人との交流の大部分は前と同じ気がする。性格は前と変わらないから。私は昔から、ちょっと陽気で愛嬌を振りまくタイプだった。ほとんどの人はいい反応をしてくれる性格。
A. 友だちはみんなすごく受け入れてくれた。失ったのは大勢の友だちの中のほんの数人だけ。
家族や親戚にも全体的にすごく受け入れてもらえたけど、両親には慣れるまで少しの時間が必要だった ── 今は2人とも受け入れてくれてる。信心深いおじは私とは一切関わりたくないと思ってるし、私は彼を「気まずく」してる。でも彼の子どもたちはほとんど私を受け入れてる(1人か2人はちょっと当てにならないと思うけど)。他のおじやおばやその家族たちは(別の信心深い2家族を含めて)今も私を愛してくれてるし、前と変わらない態度だし、私が幸せでいることをただ喜んでくれてる。
これまで出会ってきた人はほとんどがいい人たちで、面と向かって頭ごなしに否定してきたりはしない。でもお前は忌まわしいものだとか、自殺した方がいいと言ってきた人たちはいた。だから腐ったリンゴはいつでも存在する。
Q. うちの子たちに説明するならどう説明する?
A. たんに、「一部の人は体と違う脳で産まれる。だから幸せになるために体を治療する」って説明する。大人よりも子どもの方がトランスジェンダー関連をずっと上手く理解する。
Q. 君について一般大衆に理解してほしいと思ってることを1つあげてもらえる?
A. 1つだけしかダメ?私は私が1人の人間なんだってことを知ってほしいんだと思う。他の何かじゃなくて……
毎日通勤が嫌だと思ってるし、友だちとバーに繰り出すし、日曜は家で座ってフットボールを見てる。趣味も希望も夢もある……トランスジェンダーでいることは「私」を作るほんの小さな一部分でしかない。現時点で治療歴の一部に過ぎないし、日常生活とは関係ない。大部分は。家だろうと職場だろうと、どこに行こうと誰にも違う扱いはされない。
私みたいに「パス」しないかもしれない人たちにとっては、ある意味それが理想の生活 ── 単純に、敬意を持って扱われること、できるだけ普通に生活を送ること。
Q. 女性になるステップを踏み出させる最後のひと押しをしたのはどんな出来事だった?
A. 実はこれすごく興味深い質問。もっと早く聞かれなかったことに驚いてる。
ある日私はリッテンハウススクエア(フィラデルフィアにある公園)にいて、当時のガールフレンドと人間観察をしてた。そしたら大学生ぐらいの年齢の、衝撃的に美しい黒人女性が公園を歩いていった ── 彼女はタイトなグレーのシャツの裾を黒いショートパンツに入れていて、その下には裂け目を入れたタイツを履いてた。カールした髪は後ろで完璧なポニーテールにまとめられていて、黒い口紅と黒いネイルが黒いブーツにマッチしてた。

元スレ:(2016/10/23)
(OP)
私は医学的に性別移行をしてるトランスジェンダー女性。踏み込んだ質問して!
ヘイ、reddit!日常生活でトランスジェンダーと知り合いの人はすごく少ないと思うし、人を傷つける危険のある質問をするのは怖いだろうから、突っ込んだ質問に答えられる人からトランスジェンダーや性別移行について知れる機会を提供しようと思ったの(敬意ある質問ならね ── オカズをあげる気はない。ハハ)
私はホルモン療法(HRT)で医学的に性別移行した。始めたのは2年ちょっと前。通過してきた変化を見せるためにちょっとしたアルバムを作ってアップしといた。
証明不足ならそう言って!喉仏の写真をアップしたり、昔の声と今の声の動画をアップしたりするから。さて、なんでも聞いて!
私であることの証明:

私は医学的に性別移行をしてるトランスジェンダー女性。踏み込んだ質問して!
ヘイ、reddit!日常生活でトランスジェンダーと知り合いの人はすごく少ないと思うし、人を傷つける危険のある質問をするのは怖いだろうから、突っ込んだ質問に答えられる人からトランスジェンダーや性別移行について知れる機会を提供しようと思ったの(敬意ある質問ならね ── オカズをあげる気はない。ハハ)
私はホルモン療法(HRT)で医学的に性別移行した。始めたのは2年ちょっと前。通過してきた変化を見せるためにちょっとしたアルバムを作ってアップしといた。
証明不足ならそう言って!喉仏の写真をアップしたり、昔の声と今の声の動画をアップしたりするから。さて、なんでも聞いて!
私であることの証明:

(以下、OPがアップしたアルバムより一部を掲載)ホルモン療法前。2011年ぐらい?ホルモン療法を始めて1週間。ホルモン療法を始めて7ヶ月(?)。2015年の夏。2015年/2016年の冬。ホルモン療法を始めて約1年。2016年春?
Q. 証明を見た後アルバムを見て、「うわぁ、科学の力ってスゲー」ってなったよ。今の君を見て昔男だったかもなんて夢にも思わないだろう。ぶっ飛んだよ。性別移行の間ずっと同じ職場で働いてた?もしそうなら、同僚たちは君をどう見てた?
A. 今の会社では、常に女性として「パス」(訳注)し始めたホルモン療法7ヶ月目ぐらいから働いてる。マネージャーたちは知ってるし、女性の同僚の1人2人も知ってる。でも職場の男性は1人も知らないし、わざと知らせずにいる。彼らとの交流を「変な」感じにしたくないし、私と軽口叩いてじゃれ合うことを「ゲイ」だと思って変な気分になってほしくないし、違う時代に育ったずっと年上の男性たちだから、知らぬが花で生活しててもらう方がいい。
マネージャーたちはずっと素晴らしい対応をしてくれてる。採用後に性別移行について話題にされたことは一度もない。彼らが褒めたり批評したりするのは私の仕事ぶりだけ。「本物の」女性として見られてないと感じたことは一度もなくて、それにはすごく感謝してる。
(訳注:トランスジェンダーが自認する性別で周囲から認識されること)
Q. ヒゲ生える?
A. もう生えない。毛根を殺す電気脱毛とレーザー脱毛をやったから、今の時点で98%生えてこない。

(ヒゲがあった頃のOP)
Q. 性別移行で最大の関門はなんだった?
A. うーん……おそらく声を変えること。ほとんどのトランス女性よりもずっと簡単だった。ずっと歌を歌っていたし、長い間モノマネをやってきたから。でもニュアンスや女性特有の語調に磨きをかけるのは難しくて、望むレベルまで持っていくのに多分4ヶ月のハードな練習が必要で、その後の1年で少しずつ良くしていった。
Q. 君の体のどの部分が100%本物でどの部分が手術の結果?
A. 全部が本物。手術はなにも受けてない。

(ホルモン療法前とホルモン療法2年経過後)
Q. その肉体を維持するのに日々何が必要?その処置はそのうち問題を引き起こす可能性がある?
A. エストロゲンとプロゲステロン、テストステロンの分泌をブロックするアンチアンドロゲンを摂ってる。そのうち問題になるようには見えない。特に、アンチアンドロゲンは手術してテストステロンを分泌しなくなったら摂取しなくてよくなるから。
Q. どれぐらいのお金がかかるの?どうやって費用を賄ってる?
A. 私のホルモン費用は月40ドル、せいぜい。生殖器の手術は1万2千ドルから3万ドルの間。外科医と場所による(個人負担)。
└・うちの会社はその手術費もホルモン療法も他の費用も負担してくれるよ。何人かそのプロセスを通過した社員がいる。科学ってほんとすごいよね。
└(OP) もしもし、私 私。あなたの会社の社員。
Q. 何歳で性別移行を始めた?ずっと自分を女だと思ってた?
A. 始めたときは22歳、今は24歳。ずっと自分を女性と思っていたとは言わない。そう思うことを自分に「許して」なかったから ── 女性の体をしてないのに自分を女性とは呼べないって自分に言い聞かせてた。頭の中ではずっと1人の女性であることを知っていたけど。
関連記事:
「私は幼い頃から自分が女であることを知っていた」【元"美しすぎる男性モデル"】アンドレア・ペジックだけど、なんか質問ある?【アンドレイ・ペジック】
Q. 知らない人たちと女性として接するときと男性として接してたときの顕著な違いはなに?
A. 今は男性がわざわざ私のためにドアを開けて通してくれる。あるいは私に助けが必要か聞いてくれる。
女性は私が側にいるときに前よりずっと落ち着いてるし、髪やメイクや服を褒めてくれるし、前よりも親しくしてくれる。(訳注)
1人の男性としては、ちょっと寂しかった。みんな感じ良く接してくれてはいたけど、交流を持とうとはしなかったから。夜遅くに大学からアパートに帰ってるとき、私の存在が前を歩く女性たちを不安にさせているのが手に取るようにわかった。今逆の立場になって、どうして彼女たちがそんな風に感じていたのか心から理解できる。とは言えいい気分はしない、わかるでしょ?
(訳注:アメリカ人は同じエレベーターに乗り合わせたり、同じ行列に並んだりしただけの全くの他人であっても、親しげに話しかけたりしてくる傾向にあります)
Q. あなたも1人の女性として、公共の場や職場とかでアプローチされたり、ハラスメントを受けたり、物扱いされたりする?
A. うん、確実に。良くも悪くも、女性でいる方がもっとずっと注目を浴びる。一人でほっとかれた頃を恋しく思うことがある。
Q. 本当に女性になったんだと実感した最初の出来事は?
A. ちょっとフェミニンな格好をして、恋人の家に向かう電車に乗ったときのこと。座ったら前のシートの男性が振り返って、私を上から下まで眺めて言った。「よぉ、美人さん。調子はどうだい?」私は心の中で呟いた。「ふむ、今後はこれを経験するってわけね。人じゃなくて肉の塊になった気分」
└・肉の塊のような気分になって初めて、本物の女性の気分がしたって?
└(OP) 女性になった気がしたのは、一部の男性が私を昔のように対等な存在と見なしたり、敬意を持ったりしないこと、公衆の面前で私にキャットコール(訳注)する必要を感じてることに気づいた時。そのとき初めて、自分が他の女性が日々直面してるのと同じ問題を抱え始めてると感じたの。
└・俺は異性愛者の男だけど、酔っ払った女性たちにキャットコールされたことが何度かある。めちゃくちゃ気不味かった。あんなことに日常的に直面するなんて、想像もできないよ。
(訳注:キャットコールとは、街中で主に男性が通り過ぎる女性に対して、口笛を吹いたり、「ヘイ、ベイビー!」だの「いいケツしてんな〜!」だの大声で声かけしたりする行為。40歳以下のアメリカ人女性を対象に調査した結果、96%が過去一年以内にキャットコールをされていたという事実も。【参考動画】「キャットコールされる娘を見た父親たちの反応 」「キャットコールされる母親を見た息子たちの反応」)
Q. 昔と比べて力が弱くなったように感じる?それとも今も男性並みのパワーがある?もし誰かに攻撃されても、防御できればもっと自信を持てるんじゃないかと思って。
A. 前の自分と比べて、すごく、すごく弱くなった ── 現時点ではガールフレンドより弱いかも。
男性の強さは全て失った。筋トレしてなくても、前はテストステロンのおかげで自然な筋肉だけで4、5回懸垂できた。先週試してみたけどたった1回ですらすごく苦労した。どんな男性からも身を守る自信は全然ない。5フィート7インチ(約168㎝)、130ポンド(約59㎏)だし。
Q. ガールフレンドってことは、今の君はレズビアン?
A. バイセクシャル。でも今はレズビアンの交際してる、うん。
Q. 性別移行で性的指向が変化したの?それともずっとバイだった?
A. 過去を振り返って自分がずっとバイだったことに気づいた。男性に惹かれてる自分を認めようとしていなかっただけ。それって「ゲイ」だから(皮肉でしょ?)。それに本当は男になんか興味ないと自分を言い負かす言い訳を考え出してた。空想の中では女性の自分が男性たちにお尻を取り囲まれる想像をしてた(イェーイ、ママ見てる〜?)にも関わらず。
Q. 自分の体の性別とジェンダーが一致してないと気づかされた出来事が特になにかあった?
A. 頭の中のパンドラの箱を開けた決定的出来事があったとは思わない。小さな出来事がたくさんあっただけ。
カトリックスクールの3年生だったとき、誰かが先生に天国で人はどんな姿をしてるのか質問したのを覚えてる。先生は「天国でのあなたたちは、なりたい年齢、なりたい姿になんだってなれるんですよ」みたいなことを言った(先生は3年生相手に話をややこしくしたくなかったんだと思う。ハハ)。純粋にも私は死ぬことにすごくワクワクした。8歳か9歳だったから、死だけが唯一私が知ってる女の子になれる方法だった。自殺をじっくり考えたりはしなかったけど。「わぁ、人生を終わらせようよ。天国に行きたい!」って感じ。
Q. 自分の男性器を邪魔者だとか欠陥だとか余分な物だとか感じてる?
A. 男性器はただの……私の一部分。彼が私にくっついてるのは彼のせいじゃない。私に機能する生殖器を与えようと今までベストを尽くしてくれた。その点では彼に感謝しなきゃ。けどそれでもいつか女性器が欲しい。
関連記事:
「私はインターセックス。XY染色体と停留精巣を持っているけど、表現型は女性(乳房、女性器、などなど)」【両性具有】インターセックスだけど、なんか質問ある?【性分化疾患】
A. お金。それに今は適切な時期じゃないってだけ ── ガールフレンドと私は子どもを持つことを考えてるし、子作りの一番簡単な手段が自然な方法だし、そのためには私の道具が必要になるから。
Q. ホルモン療法って精液が作られなくなるんじゃない?まだ「充分に」作られてる?それとも妊活中はホルモンを止める必要がある?
A. もう一度精液を生産するチャンスを得るためにホルモンを中断しなきゃいけない。保証はない。でもリスクに見合う価値があると思う。私たち、本当に美しい子どもたちを持てるはず。ハハ。
Q. ガールフレンドとの出会いは?君の状況をいつ説明した?
A. OKCupid(訳注)で出会った。男だったときに。その後ちょっとデートして、ほとんどすぐに彼女が運命の相手だとわかった。ほんとに完璧に気が合って。でも彼女が私の性別違和を知ったらフラれるんじゃないかとすごく怖かった。その恐怖で私から彼女との関係を断ち切った。
1年後に性別移行を決心したとき、彼女に私の行動を謝罪して理由を説明するメッセージを送った(酔った勢い)。彼女は理解してくれたし、実は彼女が女性の方が好きなバイだったことが判明した。だからまた仲良くなって、私がホルモン療法を始めてすぐにデートを再開した。それ以来ずっと一緒😃
(訳注:アメリカの出会い系サイト。出会い系というと日本ではあまり良くないイメージがあるかもしれませんが、アメリカではオンラインの出会い系サービスがより広くよりカジュアルに利用されています)
Q. 性とジェンダーを一致させる前とさせた後では、恋愛関係に変化はあった?
A. 前は元恋人たちとの間に見えない壁があった ── 恋愛関係の中で全くの私自身ではいられなかったし、その理由を元恋人たちに説明できなかった。ようやく説明して、それが恋愛関係のいくつかを終わらせることになるまでは。私はずっと、すごく従順で、抱き締めたくなる、愛情深い気分だった。でもそういう衝動に従って行動できる気が全然しなかった。元恋人たちのために「男」でなきゃいけなかったから。みんな自己主張のはっきりした男らしい男性が好きだったから、そういう感情を切り抜けるのがすごく上手くなった。今は恋愛において私自身でいられる本当の自由を味わってるし、前よりずっと本物だと感じてる。
└・じゃ……従順な男性が好きな女性と付き合えばいいんじゃない?
└(OP) 性別移行したのは脳と一致させるために女性の体を持たなきゃと感じていたから。セクシュアリティの指向とは無関係。
Q. 性的欲求はどう変化した?
A. 劇的に変化した ── 性別移行前よりずっと強くなった。でもたぶんプロゲステロンのせい。性別移行を始めてしばらくの間はすごく弱くて、解放されたみたいに感じてた。でも今は日常的に求めてる。自分の体がすごく良い感じだし、もっと使いたいと思ってる。ハハハ😝
Q. 感情面や思考面での変化はあった?前より共感的になったとか、感情的になったとか。
A. 前より泣く。それでもよく泣く方じゃないけど。昔からすごく人に共感するタイプだったから、ホルモン療法がその点とかを変えたとは思ってない。感情の状態や思考に関して言えば、前はそれがどれだけ暗くぼんやりしていたかを思えば、すごく「クリア」になったと感じてる。その理由は、今は正常なホルモン状態にあって、おかげで幸せだからだと思う。
Q. 法的な面はどうなってるんだい?出生証明書や運転免許証とかの性別を苦労してなんとか変更した?
A. 新しい名前と性別になった免許証を持ってる。社会保障とパスポートを更新するだけでよかった!
A. 前と同じもの ── うーん、前から知ってる人たちは全然接し方を変えない。すごくありがたく思ってる。正直、人との交流の大部分は前と同じ気がする。性格は前と変わらないから。私は昔から、ちょっと陽気で愛嬌を振りまくタイプだった。ほとんどの人はいい反応をしてくれる性格。
Q. 家族や親しい人たちには性別移行についてどう説明したの?
A. 個別に、腰かけて、これは長い間私が感じてたものだということ、性別移行の全てについて多岐にわたるリサーチをしてこれが正しい選択だとわかっていること、軽い気持ちで出した結論じゃないことを説明した。そのうちの数人、姉妹とか親友とか、元カノたちには、性別移行を決心する数年前に自分の気持ちを話してあった。
Q. カミングアウトになにか否定的な反応された?それとも全員受け入れてくれた?
A. 個別に、腰かけて、これは長い間私が感じてたものだということ、性別移行の全てについて多岐にわたるリサーチをしてこれが正しい選択だとわかっていること、軽い気持ちで出した結論じゃないことを説明した。そのうちの数人、姉妹とか親友とか、元カノたちには、性別移行を決心する数年前に自分の気持ちを話してあった。
Q. カミングアウトになにか否定的な反応された?それとも全員受け入れてくれた?
A. 友だちはみんなすごく受け入れてくれた。失ったのは大勢の友だちの中のほんの数人だけ。
家族や親戚にも全体的にすごく受け入れてもらえたけど、両親には慣れるまで少しの時間が必要だった ── 今は2人とも受け入れてくれてる。信心深いおじは私とは一切関わりたくないと思ってるし、私は彼を「気まずく」してる。でも彼の子どもたちはほとんど私を受け入れてる(1人か2人はちょっと当てにならないと思うけど)。他のおじやおばやその家族たちは(別の信心深い2家族を含めて)今も私を愛してくれてるし、前と変わらない態度だし、私が幸せでいることをただ喜んでくれてる。
これまで出会ってきた人はほとんどがいい人たちで、面と向かって頭ごなしに否定してきたりはしない。でもお前は忌まわしいものだとか、自殺した方がいいと言ってきた人たちはいた。だから腐ったリンゴはいつでも存在する。
Q. うちの子たちに説明するならどう説明する?
A. たんに、「一部の人は体と違う脳で産まれる。だから幸せになるために体を治療する」って説明する。大人よりも子どもの方がトランスジェンダー関連をずっと上手く理解する。
関連記事:
「学校の友だちのほとんどはうちの両親がゲイだということを気にしちゃいなかった。最大の問題は、自分の子どもを俺に近づけることに問題を抱えている親たちだった」【父2人】同性婚の子どもだけど、なんか質問ある?【子2人】
Q. 君について一般大衆に理解してほしいと思ってることを1つあげてもらえる?
A. 1つだけしかダメ?私は私が1人の人間なんだってことを知ってほしいんだと思う。他の何かじゃなくて……
毎日通勤が嫌だと思ってるし、友だちとバーに繰り出すし、日曜は家で座ってフットボールを見てる。趣味も希望も夢もある……トランスジェンダーでいることは「私」を作るほんの小さな一部分でしかない。現時点で治療歴の一部に過ぎないし、日常生活とは関係ない。大部分は。家だろうと職場だろうと、どこに行こうと誰にも違う扱いはされない。
私みたいに「パス」しないかもしれない人たちにとっては、ある意味それが理想の生活 ── 単純に、敬意を持って扱われること、できるだけ普通に生活を送ること。
Q. 女性になるステップを踏み出させる最後のひと押しをしたのはどんな出来事だった?
A. 実はこれすごく興味深い質問。もっと早く聞かれなかったことに驚いてる。
ある日私はリッテンハウススクエア(フィラデルフィアにある公園)にいて、当時のガールフレンドと人間観察をしてた。そしたら大学生ぐらいの年齢の、衝撃的に美しい黒人女性が公園を歩いていった ── 彼女はタイトなグレーのシャツの裾を黒いショートパンツに入れていて、その下には裂け目を入れたタイツを履いてた。カールした髪は後ろで完璧なポニーテールにまとめられていて、黒い口紅と黒いネイルが黒いブーツにマッチしてた。
私はただ驚嘆と嫉妬に満たされた。彼女の外見が大好きだったし、自分自身でやってのけられたらとずっと願い続けていたものだったから。それで私の中のなにかが、まさに……折れた。即座に。なんて言うか、「もういい。他の人のために生きるのも、この体の中にいるのももうたくさん。性別移行しなきゃ。自分が幸せで快適でいられる体に自分が着たい服を着なきゃ」って感じ。
そういうわけで、あの日フィラデルフィアの誰かさんは全然知らなかった。あの日の朝に身につけた服を通じて、自分が私の人生の方向を変える直接の役目を果たしたなんて。彼女はただ自信にあふれて満足そうに公園を歩いて行っただけ。
Q. 「体を手術するより心を『治す』方が絶対簡単で安上がりだ」という人たちをどう思う?
A. そういう人たちはトランスジェンダーや性別移行を全然理解してないと思う。
第一、私はなんの手術も受けてない。極端な手術は言うまでもなく。少しの錠剤と注射だけで日々を普通に過ごしてる。
それに脳を「直す」のが良いアイディアだとは思わない。性自認は人の存在の核となるもの、自我。もし誰かが私を精神的に「治療」しようとしていたら、廃人か全くの別人になってしまったはず。その行為は道徳的にも倫理的にもグレーゾーンだと思う。
私は自分の脳を愛しているし、私の全てが「私」を形作っていて、幸せじゃないのは体のことだけだった。今は幸せ。頭の中でこうあるはずと感じていた外見と一致してるから。
Q. 立ったままオシッコ出来ることを恋しくなるときがある?
A. 恋しくなるとは言わないけど、立ったままできるのはすごく便利だった ── ときどき家ですごく酔ってたら未だにやるかも。誰だって漏れそうなときに座ってるヒマなんかないし。
そういうわけで、あの日フィラデルフィアの誰かさんは全然知らなかった。あの日の朝に身につけた服を通じて、自分が私の人生の方向を変える直接の役目を果たしたなんて。彼女はただ自信にあふれて満足そうに公園を歩いて行っただけ。
Q. 「体を手術するより心を『治す』方が絶対簡単で安上がりだ」という人たちをどう思う?
A. そういう人たちはトランスジェンダーや性別移行を全然理解してないと思う。
第一、私はなんの手術も受けてない。極端な手術は言うまでもなく。少しの錠剤と注射だけで日々を普通に過ごしてる。
それに脳を「直す」のが良いアイディアだとは思わない。性自認は人の存在の核となるもの、自我。もし誰かが私を精神的に「治療」しようとしていたら、廃人か全くの別人になってしまったはず。その行為は道徳的にも倫理的にもグレーゾーンだと思う。
私は自分の脳を愛しているし、私の全てが「私」を形作っていて、幸せじゃないのは体のことだけだった。今は幸せ。頭の中でこうあるはずと感じていた外見と一致してるから。
Q. 立ったままオシッコ出来ることを恋しくなるときがある?
A. 恋しくなるとは言わないけど、立ったままできるのはすごく便利だった ── ときどき家ですごく酔ってたら未だにやるかも。誰だって漏れそうなときに座ってるヒマなんかないし。