あの超有名セレブ、パリス・ヒルトンのバースデーパーティーに潜り込み、大胆不敵に盗みを働いた売れないミュージシャン、Pazさん。世界中のメディアから殺到したインタビューを全て断った彼がRedditユーザーからの質問に答えるAMA(なんか質問ある?)!

(Paz)
去年俺はパリス・ヒルトンのバースデーパーティーに潜り込み、彼女が「危うく無駄にするところだった」ケーキを救出した後、ホームレスにあげた

俺がこの話をRedditにアップしたところ、物事はちょっと変な方向に進んだ。ありとあらゆるニュースに掲載され、インタビューの申し込みが殺到した。たくさんのブログが、俺がいつ逮捕されるんだろうと書いていた。
自分じゃ特に何か悪いことをしたとは思っていなかった。だがあまり話しすぎない方が賢明だと思った。だからインタビューを断り、売れない作曲家としての人生に戻った。

1年後、もう話してもいいんじゃないかって気分になった。だからもしまだ興味があるなら、質問してくれ。全ての質問に答えるつもりだ。

もしKickstarterで俺の新作レコードをサポートしたいと思ってくれるなら、ここにショート・ビデオがある。俺がワーナー・ブラザーズの本社に侵入しようとしてる映像も含まれてるよ。 俺は自分の音楽を無料でクリエイティブ・コモンズ・ライセンスにしているから、活動を続けるためにKickstarterみたいなものに頼ってるんだ。




(訳注:Pazさんのfacebookから事の経緯を説明した文章を抜粋して翻訳します。全文とケーキやパーティーの写真は翻訳元でご覧下さい)
俺は今朝、2,000ドルのケーキとともにリビングで目覚めた。
ケーキは大きくて、赤くて、「パリス」と書かれている。
それに、めちゃくちゃ美味い。

24時間前、俺はダチのケヴィンから電話をもらった。ケヴィンはこう言った。「なぁ、俺、今夜のパリス・ヒルトンのバースデーパーティーに潜り込もうと思ってんだ。お前も絶対行くだろうと思って」
俺は言った。「お前にゃ無理に決まってる」
ケヴィンは言った。「俺なら絶対やれるさ」

90分後。俺たちはまるでそこにいるのが当然みたいに、レッドカーペットの上をうろついていた。
ハリウッドってのはときどきすげぇ奇妙だ。恐ろしくなる。俺はいつも、こういうパーティーはホワイトハウスよりも多いセキュリティチェックポイントを持ってるんじゃないかと想像してた。だが俺に必要なものは「P」と書かれた赤いリストバンドだけだった。黒服の傭兵たちがすぐに俺をホリデイインと同じサイズの大邸宅へと押し込んだ。 
歩いている間カメラのフラッシュが俺たちに降り注いだ。どうやら俺たちが有名人だった場合に備えて撮っているらしい。 
俺たちは無名だ。だが問題なかった。俺たちはゲストにかなり上手く溶け込んでいた。— 「溶け込んでいた」というのはつまり、「しこたま呑んでいた」ということだ。 
エントランスと比較すると、実際のパーティーは平凡に見えた。もちろんハリウッドレベルの「平凡」だ。 ハリウッドじゃ、ティンカーベルの羽を付け、裸にボディペイントを施したニンフがドリンクをサーブしてくれることは「平凡」だ。 ブレイクダンスを踊る8フィート(約2.4m)のアイアンマンもどきを雇うことも「平凡」だ。 (中略)

しこたま呑んでいた俺は、バースデーソングをひとつに繋がった言葉として適当に歌い、その一方でケーキに最初に顔を突っ込まないように踏ん張っていた。

ケーキは大きくて、赤くて、「パリス」と書かれていた。
それに、めちゃくちゃ美味そうに見えた。

夜も更けていた。パーティーは終わりに近づきつつあった。俺はケーキをちらっと見て、その砂糖のかかった美味そうなものが、まだ一切れもサーブされていないことに気がついた。
「そのケーキはどうなるんだい?」 とうとう俺はウェイターの1人に尋ねた。
「あぁ、赤いケーキですか?十中八九、ただ捨てられるだけですよ……」

俺はジャックの疑い深い胃です。
(訳注:映画「ファイト・クラブ」の"ナレーター"のセリフ「俺はジャックの脳の延髄です」「俺はジャックの結腸です」のパロディ)

飲んだくれていたこの瞬間、俺は決意した。自分の目の前で2,000ドルの価値があるものを無駄にするなど、何人たりとも許さねぇ。
「なぁ」俺はケヴィンにモゴモゴと言った……「俺はあのケーキを救出しなきゃならねぇ」
ケヴィンは言った。「お前にはできねぇよ」
俺は言った。「俺なら絶対…ぁー、おえぇ」
「車を回してくるよ」ケヴィンは言った。(中略)

酒が回っているとはいえ、これがどんなに繊細なミッションかは理解していた。建物内にはまだ少なくとも100人の人間がいて、そのうちの20%は俺のようなバカを見つけるために雇われている。
ケヴィンが車を取りに向かっている間、俺は正面玄関に向かった。そして不屈の精神力と決断力を呼び起こし、パーティーへと戻った。
俺は警備チームのリーダーに見える男に近づき、"自分が何をやっているか分かっている"という雰囲気を醸し出しながら彼に声をかけた。
「やぁ君。例のケーキはあの部屋だったかな?」
「イエス、サー」
彼は家の裏手を向き、少しお辞儀をしながら言った。行動開始の合図を得た俺はケーキの場所へと急いだ。流れるような動きで、混乱したウェイターをかわし、獲物をつかんでドアに向かった。
出口で再び警備チームのリーダーに会った。俺は彼に向かって会釈した。……彼は俺に会釈を返した。

40秒後、俺はNISSANマキシマの助手席に座っていた。70ポンド(約32キログラム)のケーキを膝に乗せて。
成功だ。
日が昇ると同時に、俺は爆睡した。俺が目を覚ましたとき、この部屋にある興味深いサプライズに気づくだろう。

それは赤く、美味い。そしてそれをどうするつもりなのか、俺はまだわかっていない。

I Crashed Paris Hilton's Birthday And Accidentally The Whole Cake2011年2月17日 9:03



Q. おめでとう。誰かが貼った「ペレスヒルトン・ドットコム」へのリンクを踏んでしまったときはいつも、自分を殺したくなっていた。君は俺をそう思わせなかった初めての人物だよ。

A. 光栄だ。:)
ペレス・ヒルトン(Perez Hilton, 1978年3月23日 - )はアメリカ合衆国男性ブロガー、テレビパーソナリティ。彼のブログはミュージシャン俳優、セレブリティなどのゴシップを専門に扱っており、著名人の写真に扇情的な落書きを加えて貼ることでも知られている。

Wikipediaより

Q. で、これは計画的なものだったの?それともとっさの思いつき?

A. ほとんど思いつきだね。彼らがケーキを捨てるつもりだって聞いた瞬間、なんかしようと決めたんだ。

 └・わかるよ。俺も同じことをやっただろう。法律なんて糞食らえ。君がやったことは正しい。

Q. なんでそんなことしたの?ホームレスに食べさせたかったから?それともそういう風に主張するのが楽しそうだったから?すごく良いやり方だと思うんだ。パリスはおそらく、あのケーキに少なくとも
2,000ドルか3,000ドルは浪費してる。それだけあればたくさんの毛布とサンドイッチを貧しい人たちに与えられるからね。
(訳注:実際の価格は3,200ドル(約33万円)だったそうです。)

A. すごく価値があるものが無駄にされようとしていることを目にしてのリアクションさ。実際、ハリウッド通りにいる飢えた人たちのことも考えた。彼らはあのケーキを食べたがるに違いないって。俺の中の何かが言ったんだ。「やれ」って。

 └・>俺の中の何かが言ったんだ。「やれ」って。
   あ、そりゃビールだな。

Q. 素晴らしい。ホームレスに食料を与えるために、他になにかしようと考えたことある?

A. アメリカ全土のパーティに潜り込んでケーキを盗む旅に出ようかとちらっと思ったんだが、ケーキの値段よりも金がかかることに気づいて止めたよ。

Q. 俺はパリスと1度ディナーをともにしたことがある(他にも10~15人が一緒だった)。彼女が言ったのは「ハーイ、パリスよ」だけだったよ。

A. これは本当っぽい。



Q. めちゃくちゃ酔っぱらってたのに、どうやって70ポンドのケーキを運んだの?どうやって車に積み込んだの?


A. ケーキを運ぶのは厄介だった。何度も倒しそうになったよ。周りの人が助けてくれた。ちょっと笑えたな。警備員の1人は、俺が出ていくときドアを押さえて開けておいてくれたよ。
車に乗り込むのはバランスがいった。ケーキの高さは車の天井すれすれまであった。おまけにパーティー会場はハリウッドヒルズだった。ひどく風の強い道を、ケーキをひっくり返さないように時速2マイル(約3.2km)ぐらいで進まなきゃなんなかった。

 └・警備員が君を手伝ったのか……?彼は今ホームレスになってるに違いない!

  └・じゃあ彼にケーキを食わせてやろうぜ!

   └・それぐらいしかしてやれることはないよな。

Q. パリスの関係者から連絡がきた?

A. 一度も。ケーキを作ったアブサンの会社(訳注:Lucia Absinthe)が、宣伝のために俺と連絡とろうとしてたようだけど。

(訳注:Lucia Absintheが事件後に発表した声明には「Pazさん、我が社のfacebookにお気軽にご連絡ください。あなたのストーリーとケーキの感想をぜひお聞かせ願いたいです」という文章が含まれていた)

Q. あのケーキってアブサンの会社が作ったの?ってことはケーキはアブサンでできてた?「YES」と言ってくれ!

A. 中に入ってた。けど、製作過程で焼いたときに飛んじゃったみたいだ。

 └・美味そ~~。次のミッション:「レシピを盗め」。

アブサンabsinthe)は、フランススイスチェコスペインを中心にヨーロッパ各国で作られている薬草リキュールの一つ。ニガヨモギアニスウイキョウなどを中心に複数のハーブスパイスが主成分である。
Wikipediaより

Q. ホームレス支援施設にケーキをあげた後、なにが起こった?

A. みんなワクワクしてたよ!ランチの後に切り分けて、来た人たちに配ったんだ。あれは起こりうる中で最高の結末だったね。 

Q. ホームレスたちにケーキの感想を聞いた?

A. すごく気に入ってたよ。この出来事の中で一番良かったのは、彼らがケーキを切り分けて食べているのを見ていたときさ。

 └・アブサン風味のケーキは酷い味がするんじゃないかと思ったんだが。俺たちには君のように堂々と強欲に立ち向かう素晴らしい人が必要だ。これからも頑張って!

  └・俺は彼が強欲に対してなんかを主張するためにやったとは思わないな。酔っぱらいの悪ふざけが偶然善い行いになっただけだと思う。

Q. 君も食べた?ケーキの味はどうだった?

A. すっげぇ美味かった。みんなに配り終わるのを待って、残ったケーキの一切れの半分を食べた。レッドベルベットケーキで、あらゆる意味で素晴らしかった。あれを捨てようとしてたなんて今でも信じらんないぜ。

(訳注:レッドベルベットケーキとは、アメリカでは人気のあるケーキで、下の写真のように着色料で赤くしたスポンジが最大の特徴だそうです。)
Lunch at Moonshine on Tuesday

Q. 俺のパーティーに潜り込んで、気兼ねなくケーキを盗んでくれよ。そしたら最高だと思うんだ。

A. ありがとう。:) スプリンクルがかかったレッドベルベットケーキがいいな。アイスケーキでもいい。

Q. OK。クールな話だ。だが話を読んだところ、君の友だちは夜通し呑んだ後で君を家まで送ってったのか?もしそうなら。ファッ●ユー。二度と飲酒運転するんじゃねぇぞ。

A. ケヴィンは酔ってなかったよ。俺がケーキを盗むずっと前に呑むのを止めていた。運転して帰らなきゃいけないと分かってたから。facebookにあのストーリーをアップしたのは朝の6時か7時で、一睡もしてない状態だった。だから書き忘れとかちゃんとチェックできてなかった。

Q. どうやってケーキをあげる施設を選んだの?突然訪れてケーキをあげたの?それとも前もって連絡した?

A. 聞いたことがあるホームレス支援施設の連絡先を手に入れた。前もって連絡して、「パリス・ヒルトンが彼女のバースデーケーキを飢えた人に寄付することに決めたから、持っていくよ」って言った。

 └・で、パリス・ヒルトンはこれについてなんて言ったの?

  └・「ハーイ、パリスよ」

Q. あなたがパリスの友だちで、単にケーキをあげただけっていう記事をどっかで読んだの。その記事は「ヤラセだ!」って書き立ててた。バースデーパーティ以前にパリスと会ったことある?

A. 俺もその記事読んだよ。:)
いいや、会ったことない。ロサンゼルスのあちこちで、彼女の取り巻きと一緒に彼女を見たことがある。でも知り合いじゃない。俺のやったことがパリスの宣伝チームが作り上げたヤラセと思われてることに、ちょっと驚いた。俺自身もRedditの書き込みに対してかなり懐疑的なとこがあるから、誰のことも責められないが。

Q. 君にお礼を言いたい。誰にも食べられない予定だった巨大なケーキを、酔っぱらいに破壊される前に運び出して、喜ぶ人々の元に持っていってくれたことに。君は善い行いをしたよ。

A. ありがとう。

Q. パリスが君のバースデーケーキを盗んだら良いのに。

A. 俺だってそう思うよ……俺だって。
Forever_Alone


 └・お前、真の俺らだな。
 
(訳注:上の画像は「Forever Alone」(永遠のぼっち)と呼ばれるネタ画像です)

Q. 作曲するとき何からインスピレーションを得てるの?

A. ほとんどの場合が「ドラゴンボールZ」 のトレーディングカードと「The Fresh Prince of Bel-Air」(訳注:ウィル・スミス主演のコメディドラマ)の再放送。

Q. 次のミッション:「カーダシアン一家を盗み、ホームレスに与える」

A. 了解。

 └・かわいそうなホームレス。

 └・ホームレスをこれ以上苦しめるな。

 └・ホームレスは返品するだろうな。役に立たないプラスチック製の犬の糞をもつ必要はないから。


  


044932ケーキは125切れにカットされ、紙皿に載せて配られたそうです。



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